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【映画】アマルフィ 女神の報酬  

【映画】アマルフィ 女神の報酬_d0057574_20355576.jpg▼動機
地雷とは感じつつも誘われたので・・・
▼感想
ほーらやっぱり地雷ジャン・・・
▼満足度
★★☆☆☆☆☆ いまいち

▼あらすじ
クリスマス目前のローマ。G8に出席する川越外務大臣のイタリア訪問準備でバタバタの日本大使館に、外交官・黒田康作(織田裕二)が赴任する。秘密裏にG8テロ対策の命を帯びる黒田だったが、赴任直後に任されたのは日本人少女失踪事件の通訳。しかし犯人から少女の母・紗江子(天海祐希)の元にかかってきた電話を受け、成り行きで父親だと名乗ってしまう。




▼コメント
「ハリーポッターと謎のプリンス」「ポケットモンスター最新作」「ごくせん」に加えてまだまだ人の入るであろう「ルーキーズ」や「トランスフォーマーリベンジ」などに押される形となったのか、フジテレジが散々CMを打った割には、見に行ったシネコンでは初日から狭い方から数えて2番目の劇場での公開という、あんまりな扱いに思わず苦笑してしまったが、私が感じ取ったいわゆる「地雷臭」もなんのその、館内は上映20分前で殆ど席を選べない程の盛況振りを見せていた。

客層は30代後半から40代前半の女性の「二人組」が大半を占めており、その他どういうわけか年配の人がチラホラと見られた。年配の方は「椿三十郎」で新たに掴んだファン層かもしれないなっと思いつつ、館内のあまり見ない光景にちょっと驚いた。

公開の初日の初回の上映で鑑賞しに行ったのは単に時間の関係というだけで、特に期待していた訳じゃない。特に私はこの映画が「地雷」である事を予告編の段階から感じ取っていたので、期待は一切していなかったのだが・・・

こ れ は ヒ ド イ

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風呂敷が二段階で広がるこの物語を、広げるセクションとたたむセクションに分けて、前半・中盤・後半と分けるならば、
前半は「そこそこ」
中盤は「がっかり」
終盤は「ざんねん」
総合で「うんざり」
という感想。

この映画は景色を見せる映画でも、役者を見せる映画なく、物語を見せる映画として作られているっぽいので、ちゃんとそういう見方をしたという前提で言わせてもらえば、そのセクションで追いかけている事実がその先のセクションで何の意味ももっていないばかりか、全体を見た時に「それ自体に意味がない」とか「それ自体にむりがある」というお粗末な出来栄えなので、そもそもまともに評価するに値しない。

ミステリーの部分には伏線など殆どなく、その全てが後出しジャンケン的に進んでいくので、見ていても一切ワクワクもドキドキもする事が出来ず、どんなシーンを見せられても「で、何?」という感想しか浮かんでこないようなつくりは大問題だと思う。
加えて、後から犯人側の計画を検証してみると、スタート地点である誘拐事件にたどり着けないというお粗末さで、そもそも計画自体が破綻しているという有様。

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そんなこんなでとても酷い有様だったのだが、
犯人側の目的が明らかになったあたりで、
「この映画の大筋を全く変えることなく細部をちょこっといじるだけで相当面白くできるんじゃないだろうか」
って事に気づいた。

それは、
1.最初から最後まで犯人側の視点で物語を進めること
2.その際にシナリオの粗と矛盾をしっかりと洗い出し改善すること
3.犯人側の要求が全て叶えられること
4.天海祐希と大塚寧々の役柄を交換すること

多分これで相当面白くなること請け合い。
いつか見た2時間ドラマと酷似しているという話はおいておいて、こういうドラマだったら大賛成だし、きっと感動できると思うし、見た人にきっと何かを残せるようにも思う。

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だけど・・・
この映画は「織田裕二inイタリア」というのも売りになっているので、多分このアイデアだと売りにならない。それはそれでとても残念だけど、しかたないと諦めるしかない。
ただでも、その売りと言っている「イタリア」の部分は随分と雑な作りだった。
特に空撮映像があきれ返るほどひどかった。
「海」と「山」と「町」と「空」が融合して初めて雄大な景色になるだろうというアマルフィ(というかイタリアの町全般がそうかもしれないが)を、わざわざ「町」と「海」だけしか映らないように撮るとか、どれだけ頭が悪いのかと思った。
もう本気で「視点切り替え」したいと思った。
※あとで見たらWikipediaの写真の方がよっぽどいい絵になっている。やっぱりイタリアはこうじゃないと

とまあ、完全に売り方を間違ったような映画。
「フジテレビが、青島刑事ではない役で織田裕二をスクリーンに送る!」
とかが丁度いい謳い文句なんじゃないだろうか?
これだったら最初っから「織田裕二映画」って割り切れると思うし。

最後に、タイトルの意味が全くわからなかった。
どうして「アマルフィ」というネーミングにしたのか?
そもそも「女神の報酬」とは一体なんだったのか?
「女神」も「報酬」のなかったような気がするが・・・?

≪一言コーナー≫
テレビ局の宣伝効果かやけに画像があるのでせっかくだから消費する。
ということで久しぶりに一言コーナー。

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まず、主演の織田裕二。
久しぶりに「いいあんちゃん」じゃない役を見て、こういう役柄の方がこの人にはあっていると感じた。素の織田裕二は「いいあんちゃん」という話なのだが、役としては断然こっち側推奨。
とにかく渋くてムダに格好いい。
※司馬先生に似ているとかそういうツッコミはあえてしないで置く。
「踊る劇場版3」の製作に関する三顧の礼のうちのふたつ目とか噂されている本作だが、もしかしたらこっちに続編がありそうな気がして、そこに関しては「なんだかなぁ」な感じだった。
そのときは「イグアス 女神の報酬」とかなるのだろうか?

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つぎに天海祐希。
どうしちゃったんでしょうね、この人。役を全く自分のものに出来てなかった。というか全然いい母親に見えない時点でミスキャスト確定という感じ。亡き妹の子を預かったとかそんな感じの設定の方がしっくりきたのでは?
バルコニーで泣く見せ場も台本に書いてあるであろう「活字」での感情はなんとなくわかるものの「役者」としての感情が全然感じられないので、かえって寒々しいだけの結末。
正直殆どのシーンで織田裕二の邪魔をしていた。
というかこういう「足をひっぱる役」に感情移入できない映画って時点で私はダメだ。
やはり大塚寧々と代わるべき・・・

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大した役どころでもないのに写真はたくさんある戸田恵梨香。
この娘がどれだけ物語と織田裕二と天海祐希の邪魔をするか、というところも見所のひとつだったのだが、全然邪魔してなかったどころかそれなりに溶け込んでいたので、かえって拍子抜けしてしまった。
が、特に「戸田恵梨香すげ~っ!」っというシーンや役割が与えられていたわけではなく、無難に一作品こなしたかなっていう印象。
ただ、劇中何度かあった、戸田恵梨香がなにかやろうとして即刻織田裕二に止められるという一幕は、お互いのキャラ設定にあっている感じがする楽しいシーンだった。

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織田裕二と並んでいると「ホワイトアウト」を思い出す佐藤浩市。
役柄にコクもキレもないのはきっと脚本のせいであって、本人の問題じゃない・・・と、思う。
ただ、最近の作品においてすべて同じ髪型で出ているのでそろそろ飽きてきた感じがする。

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あとは誰との友情で出演したのかわからない福山雅治や、
最後に余計な事を言って黒田のキャラクターを台無しにした佐野史郎や、
どう考えても天海祐希と役柄が逆だよなっとおもった大塚寧々や、
誰でもいいような役の伊藤淳史、声の出演のみの中井貴一、
豪華さを出す以外に必要性のないサラ・ブライトマンなどが出演していた。

▼状況
イオンシネマ太田店にて無料鑑賞券で鑑賞 ※満足度に無料券補正アリ
▼観客
F2層がどっさり100名近く(カップル向け映画の割りに少なかったのは行った時間の関係かも)

▼対象
鑑賞後に物語を後から検証したりしない人向け。
▼教訓
「外務省は予算を使い切ってナンボ」や「予算の無駄遣いは外交官の特権」
外務省のせいにしているけど、これって本当はあなた達製作スタッフのことじゃない?

by unknown0083 | 2009-07-18 10:30 | 映画

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