【映画】空気人形
2009年 10月 10日
掘り出し物感
▼感想
絵本のような世界
▼満足度
★★★★★★☆ いいかも
▼あらすじ
レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)にひそかな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトをすることに決める。
▼コメント
しっとりとした大人のおとぎ話。
いや「絵本」のような映画と言った方がもしかしたら的確かもしれない。
見終わった後でこの映画を振り返ってみると、
その内容がまるで絵本のように再生される、
不思議な感覚の映画。
この映画を見てふと思ったことは、
「心」を持つことがすなわち
「命」を持つことなんだな、と言うこと。
心が空っぽなら、命もからっぽで、
心が死んでしまっているのなら、その人は死んでいるのとおんなじ。
人々は誰しも心のどこかにからっぽな部分を抱えているものだけれど、
それでも人は生きていくんだから、
からっぽに見える心の中にも、絶対に中身はあるんだ。
自分では気づかないかもしれないけど。
≪追記するコーナー≫
びっくりするほど手短にまとまってしまったので、あとは追記するコーナー。
ペ・ドゥナだから見に行ったというのが鑑賞動機の半分くらいを占める本作。本国ではどのくらいの知名度があるかわからないが、日本でのお仕事は個人的に外れがないのがいい。カタコトの日本語と、言葉通りの解釈しかできない幼さが絶妙だった。
「代用品」のナレーションがどんどん感情を持っていくのと、
「心を持ってしまいました」が最後に「心を持ちました」に変わったのが印象的だった。
最近こういう異常性愛者の役で見ることが多い板尾創路。「元に戻ってくれ」と願う気持ちはちょっと理解できなかったが「理解できなくてもいい、それが願いだ」という部分はとてもよく伝わった。
のぞみとの邂逅があったかどうか疑問の星野真理。世界観を作り出す為だけのキャラクターとは思えないので、もしかしたらカンヌ上映版と比べて短くなっている9分間にその秘密があるのかもしれない。DVD化されたときにはチェックしてみようと思う。それでも何もないとするならばペ・ドゥナがキャスティングできなかった時のための代用h・・・
「君の見た世界に美しいものはあった?」とたずねるオダギリジョーがなんとなく切なかったのだが、もしかしたらこのセリフこそがこの映画の主題で、この世界には美しいものばかりとは限らないが、美しいものを見つけ出せる心を持つことで人生を美しくすることができる、と言いたかったのかもしれないとちょっとだけ思った。
▼状況
ユナイテッドシネマ前橋にてサービスデー価格で鑑賞
▼観客
100人ちょっと収容のシアターで半分くらい(なぜか女性客多し)
▼対象
意外と女性向けなのかもしれない
▼見所
ペ・ドゥナとオダギリジョー
by unknown0083 | 2009-10-10 16:00 | 映画