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【映画】夜のピクニック  

【映画】夜のピクニック_d0057574_21542614.jpg■状況
イオンシネマ太田店にて通常価格(割引)で観賞
■動機
直感と使命感
■感想
監督がこわしちゃダメじゃんか・・・

■あらすじ
高校3年生の甲田貴子(多部未華子)は高校生活最後の歩行祭の間に、ひとつの賭けをした。それは一度も話したことのないクラスメートの西脇融(石田卓也)に話しかけるというもの。
実は二人は異母きょうだいで、それをお互いに知っており意識しつつも話したことはなかった。しかし事情をしらないクラスメイトたちは二人をくっつけようと企んで・・・




■コメント
2006年度公開映画で一番見たかった映画。
映画館の広告で映画化されることを知り、何故だか絶対に見に行かなければならないっというか絶対に見に行く気がしていました。

原作は恩田陸の小説で第2回本屋大賞を受賞した本です。全校生徒が一昼夜かけて80Kmもの距離をただひたすら歩く行事「歩行祭」を舞台に、男女二人の主人公の心理描写を交互に見せる形で展開していきます。
原作は非常に面白くテンポもいいので、ついつい次へ次へっと気になってドンドン読んでしまいます。複線もしっかり張られていて、ただ歩いているだけの行事なのにそれだけに終わらせない不思議な魅力を持った本であることは確かです。

ただ、原作は内容の大多数を心理描写が占めるので、一体どうやって映像化するんだろうと思っていたんですが・・・ちょっと成功しているとはいいがたい疑惑・・・
空想シーンをミュージカルタッチやアニメーションで再現するシーンは蛇足感満載で、わざわざこういうシーンを入れるなら「ピクニックの準備」(観賞促進DVD)からいくつかのシーンを入れたほうがよかったんじゃないかと思います。ま、さすがに後半は慣れてきましたけどね・・・

その他、テンポが必要なシーンをだらりとやってしまったところが多く、なんとなくしつこさが残る演出も残念だったり、どんなコースを歩いているのか全体像が全然見えてこないのも難点だったり、風景描写が殆どないので田舎の景色がもったいなかったり、今年の映像と1年前の映像の区別がつきにくかったり(っというか毎年同じコース歩いている設定?)と、演出面だけでも色々といいたいことはあります。

それと異母きょうだいの件は、序盤で分かるとはいえ本編内では秘密にしているにも関わらず、何故か広告やパンフレットに普通に記載してあります。
これは広報班の完全なるミスだと思います。
異母きょうだいであることを先にバラしてからお話を展開させるならば、もっと色々な手段や演出方法があったと思うので非常に残念でなりません。
※なお、広告やパンフレットには異母兄妹と書かれていますが、特にどちらが先に生まれたとかは決まってないハズなのでここでは原作どおり異母きょうだいとします。

さて・・・
じゃあ、映画自体がダメダメなのかといえば、決してそうではないんですね。
主演の多部未華子と石田卓也、戸田忍役の郭智博などは十分な演技を見せてくれたうえで、さらにポテンシャルの高さが伺えるような演技を見せてくれてますし、高見光一郎役の柄本佑も面倒くさいキャラを立派に演じてます。
特に主演二人は完全にハマリ役っと言っていいくらいの出来栄えで、設定変更もなしに貴子と融をぴったりと演じきっています。
一部キャラ設定の変更に不満がありますが(特に杏奈の弟とか)、個人的には一緒に歩いている人達はみんな十分な演技を見せてくれたと思います。

まとめますと、いい食材を使っておきながら調理に失敗したという印象です。
これは、料理長たる監督のミステイクだと私は思います。
監督はこの物語をどこに連れて行きたかったのだろうと、今でも不思議に思います。

余談ではありますが、私はこの映画を皮切りに映画鑑賞にハマりました。
この映画がこういう出来栄えではなく、ちゃんとキッチリと完成しているものになっていたら、もしかしたらこれを最後に映画を見ていないかもしれませんし、多部未華子のほかの映画にも興味を持たなかったかも知れませんし、石田卓也など名前すら覚えなかったかもしれません。
そういう意味では、人生を変えた1本・・・っということになるのかもしれません。

≪追記するコーナー≫
この映画を見に行った段階で知っている学生キャストは加藤ローサと貫地谷しほりだけでした。その後、ヨリモの娘か!Suicaの人か!この娘もスウィング・ガールか!ファイトにいたのか!等々、色々知ることになるわけです。

■対象
原作ファンを除く出演者のファンの方
■見所
原作にはないゴールシーンかな・・・

by unknown0083 | 2006-10-08 16:20 | 映画

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