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【映画】硫黄島からの手紙  

【映画】硫黄島からの手紙_d0057574_21373688.jpg■状況
イオンシネマ太田店にてレイトショーで観賞
■動機
渡辺謙と伊原剛志およびアメリカ人が作る日本映画に興味
■感想
本当にこの映画はアメリカ人が作ったものなのだろうか・・・

■あらすじ
硫黄島の洞窟内から大量の手紙が発掘された。それは当時の司令官、栗林忠道陸軍中将(渡辺謙)がその家族に宛てた手紙だった。




■コメント
本当にこの映画はアメリカ人が作ったものなのだろうか・・・
これが見終わった時の正直な感想です。
綿密な取材に裏打ちされた日本人に対する理解は、我々日本人よりも日本人のことを知っているようでもありました。

この映画を見るに当たって、硫黄島の戦いについて少し調べました。
硫黄島が日本にとって、アメリカにとってどういう拠点であるのか、どういった方法で島を守ろうとしたのか。
そもそも硫黄島の戦いそのものを知らない人って意外と多いと思います。
私もそんな一人です。

結果論から言ってしまえば、硫黄島に派遣された部隊は既に死に部隊なんですが、彼等が何のために戦い死んで行ったのかという戦う意味をいかに見せるかっと言うのが結構なポイントになると思います。
それを「我々の子供等が日本で一日でも長く安泰に暮らせるなら、我々がこの島を守る一日には意味があるんです!」っという台詞に全て集約させてます。
こんな台詞、日本人でもなかなか思いつきません・・・
私などこれを聞いて「あっ、そうか、そうだよな!」などと思ってしまったくらいです。

ただ、これは栗林中将の思想であって部隊全てに浸透していたわけではなく、中には真っ向から反発したりまるで言うことを聞かなかったりと散々たる状況ですが、こんな状態のままアメリカ軍の侵攻が開始されます。
持ち場を放棄する際に撤退命令を出したにも関わらず集団自決を選んでしまう将官。前作『父親たちの星条旗』で登場した無残な死体はここに繋がっているのだと気付きます。
わざわざこの映像をスクリーンに映したのは、意味のない無駄な死に対する監督の静かな怒りのような気がしてなりません。

それ以外にも、2作を比較させるようなポイントもいくつかあります。
アメリカを知らない日本兵のアメリカ兵に対する偏見を、アメリカを知る西竹一中佐(伊原剛志)が諭すシーンは、前作『父親達の星条旗』にて日本人を知らないアメリカ兵に、日本兵に対する偏見をうえつけているシーンを思い出して見るとかなり感慨深いシーンです。

前作から一貫してのテーマらしきものは戦争に対する虚しさであるように感じます。
戦い終わって生き残る人物の人選も、なかなかの考えさせてくれます。
日本人では決して作れなかったであろう日本的な映画でした。

≪追記するコーナー≫
キャスティングを見てどうも浮いている感の強かった二宮和也ですが、役どころがよかったのか全く違和感なくスクリーンに溶け込んでました。
主演ではありませんが、物語からしてみれば彼が主役ですからね。今後の活躍に期待します。

■対象
日本人の人
■見所
天皇陛下万歳!

by unknown0083 | 2006-12-11 20:20 | 映画

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