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【映画】幸福のスイッチ  

【映画】幸福のスイッチ_d0057574_18143875.jpg■状況
深谷シネマにて通常価格で観賞
■動機
なんとなく面白そうだったのとレアものだったから
■感想
また観たい。何度か見たい。

■あらすじ
田舎で電気屋を営む父親(沢田研二)に反発して東京でイラストレータとして働く玲(上野樹里)は、会社でも上司と衝突し会社を辞めてしまう。
そんな折、妹の香(中村静香)から、姉の瞳(本城まなみ)が入院した事を知らせる手紙が届く。帰郷した玲は瞳の入院した病院にいくと、実は入院しているのは父親の方だった。
玲は父親が退院するまでの1月の間、しぶしぶ店を手伝うことになる。




■コメント
特に何がおこる訳でもありません。事件といえば台風がくるくらいです。
その中で、父と娘の関係をメインに、のどかな田舎の風景と、そこで暮らす人々とのふれあいの中で主人公が何かに気づいていくっという映画です。

この映画、三姉妹の書き分けが実にうまく出来ています。
キャラクターに魅力があるっと言うのでしょうか?
お互いにしゃべらせてるだけでも十分面白いです。

母親代わりの長女・瞳は本城まなみがやさしい空気感を見せてくれます。
登場する回数は少ないですが大抵誰かと一緒に出ており、玲とのシーンでは玲のギスギス感を緩和し、香とのシーンではほのぼの感をだしています。
※浮気疑惑の解決策は見事なものでした

終始ふくれっ面の次女・怜は上野樹里ならではの役で「すねる」「むくれる」「やつあたる」と普通だったら単なるイヤな女にしか思えない可愛げのない女の子を、まったく嫌味なく演じています。
中盤から徐々に険がとれていき、優しい顔を見せるようになっても、だからといってまるきり変わったわけじゃないという部分も残す演技、流石です。
※個人的には半端ない不機嫌顔で電球を叩き割る・投げ壊すシーンが大好きです

しっかりもの三女・香は中村静香が演じていますが、実はこの中村静香が秀逸です。
香は姉妹の中・イナデンの中・特に明記はありませんが学校でと、それぞれにキャラを演じ分けしていると思います。実にややこしいんです。
そんな役を専業女優ではない彼女がうまくこなしています。
※実は地なんじゃないかという疑惑

父親役の沢田研二はガンコな中に娘達への優しさや思いやりのようなものを不器用に表現する父親の役ですが、何故か違和感ありませんでした。
※ハンディカメラの件、とてもいいシーンでした

とにかくこの映画、会話のテンポがいいです。
方言を使ってポンポンポンっと軽快に行く様は、地元語を使用可能な人間のみで固めたキャスティングならではでしょう。
三姉妹と父親との掛け合いや、玲と電気屋のお兄さんとの絡みや、瞳と香のほのぼの感など、本当に面白いです。
時折入る回想シーンも、それまでのテンポ感を損なわないように、自然な感じで差し込まれています。
とてもうまい演出です。

また、この田舎は山あり森あり田んぼあり、おまけにに海までついてくるという、非常にうらやましい限りのロケーションです。
そしてそこで生活する住民も、端から端まで違和感なく、まるで昔からそこに住んでいるような雰囲気がでています。

ドラマ面も、小さなエピソードを積み上げながら、娘達が少しづつ、父親の今まで知らなかった一面を発見していくという作りになっており、見ていてなんだかほっとする感じがします。
父親の浮気疑惑も、実に女性らしい解決方法で消化され、ちょっと嬉しくなります。

始めに書いたとおり、何か大きい事件が起こるわけではありません。そこにあるのは田舎の日常と風景です。
この類の映画が苦手な人もいると思います。
でも私は、この映画を見終わったあと、もう少しこの映画の世界に浸っていたいと思いました。

≪追記するコーナー≫
中村静香のふとももを強調するカットが結構ありました。
上着はキッチリ着込んでいるのに足が出ていたりしたんですがあれは最近のファッションなんでしょうか?
非常に気になるところです。

■対象
心が病みかけている人、もしくは心にゆとりのある人、あと訛りマニアの人
■見所
電球割り・餅つき機・玲と香・おばあちゃん・壊れたハンディカム・自転車移動等々

by unknown0083 | 2007-01-20 13:30 | 映画

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