【映画】吉祥天女
2007年 07月 01日
イオンシネマ太田店にて映画の日価格で観賞
■動機
怖い雰囲気とレアもの映画なので
■感想
鈴木杏こわっ!
■あらすじ
転校生・叶小夜子(鈴木杏)は大地主である叶家の娘。5歳の時にこの町を離れたが12年ぶりに戻ってくる。土地買収を企む新興の遠野家は彼女と長男暁(深水元基)との政略結婚の話を進める。
■コメント
このあたりではここでしか見られない映画ということで鑑賞を決めました。
原作は少女コミックということですが未読です。かえって先入観なく見られたので良かったかもしれません。
時代考証にいくつか疑問点が残りますが、それは少女コミックの映像化ということで特に突っ込まない事にします。
この映画、人物関係図がかなり複雑です。しかもそのあたりの説明は劇中で簡単に済ませて終了になります。このあたりの不親切さは、恐らくは原作読者を対象に作られているからなのだろうと推測します。※人物関連図は公式サイトに公開されていますので、整理しきれない人は予習必須です。
小夜子は自分の邪魔になる人間を次々とその策謀で追い落とし、舞台から退場させます。
このあたりのサスペンス風味な所は非常に面白く、観客は次は誰をどうやって退場させるのか興味を持って見ることができます。
小夜子の目的は劇中で明らかにはされませんが、それでも期待せずにはいられないのは鈴木杏の演技力の賜物でしょう。
ターゲットとなった人間を見つめる眼、声色ひとつでの感情表現、戦闘モードでの表情の変化、彼女にああいった演技が出来ると思っていませんでしたので圧倒されました。
※特に大立ち回りのシーンは圧巻です。終了後の台詞も秀逸。流石です。
前述の、小夜子の目的が不明瞭だったり相関図の説明が一言二言で終わってしまうほか、なぜ祖母は小夜子を後継者にしなければならなかったのかが分からなかったり、由似子や能が殆ど本編と関係ない割にはかなりのウエイトを置いていたり、由似子の姉は重要そうで全然重要ではなかったり、クライマックスシーンにおいては2時間ドラマのような風情になっていたりするのは、原作のエピソードの添削が上手く行っておらず、継ぎ接ぎだらけになってしまったものではないかと想像します。
※服には血がついているのに手や顔や髪には一切ないというのは演出上のミステイクでしょうが。
ただ、それを全て踏まえても「鈴木杏が圧巻だった」という印象の残る映画だと思います。
≪追記するコーナー≫
由似子役に本仮屋ユイカ、遠野涼役に勝地涼と役名と役者名が似ている配役が気になりました。また鈴木杏はドラマ「六番目の小夜子」にも出演しています。せめてここだけは分かりやすくという製作者サイドの気遣いでしょうか。
予断ですが「六番目の小夜子」で沙世子を演じたのは栗山千明。このドラマには勝地涼も出演しています。
■対象
あまり大人向けではないようなので、それを踏まえた上で出演者のファンの方
■見所
鈴木杏
by unknown0083 | 2007-07-01 12:50 | 映画