【映画】天然コケッコー  

d0057574_2132533.jpg■状況
ユナイテッド・シネマ前橋にてサービスデー価格で観賞
■動機
夏帆と田舎と方言と、予告とくるりと山下監督
■感想
本当にいい映画。こういう映画が多く増えて欲しいと願う。

■あらすじ
そよ(夏帆)の通う田舎の学校は生徒児童6名しかいない。ある夏の日、東京からの転校生・大沢(岡田将生)がやってきた。初めて出来た同級生にそよは心ときめくが、彼の冷たい言動に戸惑いを覚える。だが海での出来事をきっかけに彼に対する印象が変わっていく。




■コメント
9月まで待てば伊勢崎で見られたが、どうしても早く見たかったのでわざわざ前橋まで出向く。その甲斐あって、非常に素晴らしい時間を過ごすことが出来た。

確実に傑作であると踏んでいたが、それ以上の出来のよさに驚く。
見る前に不安点がなかった訳ではない。特に"夏帆の演技力"に激しく疑問を抱いていた。
だが、スクリーンに映る彼女の演技は立派な主演女優のもので、何の心配をしていたのだろうと思うどころか、心配していたことさえ忘れていた。

物語は、そよと大沢の淡く清々しい青春と初恋の物語をメインに、田舎に流れる季節の中を緩やかに進む。
特に大きな事件は起きない。というか、何もおきない。
淡々と1年半の時間が、季節のイベントを交えながら流れる。海水浴・秋祭り・バレンタインデー・修学旅行・進路、などなど。その一つ一つがゆっくりで丁寧。
退屈だと思う人もいるかもしれない。
そういう人がいることは否定しない。
ただ、何か大きな事件に巻き込まれたり、重大な病気にかかったり、友人や家族が死んでしまったり、そういう映画ばかりが制作されているわけではない。
まあ、往々にしてそういう映画の方が全国展開されていたりするので、知らなかったり退屈に思ったりするのもそれは仕方ない。


主人公・そよを演じる夏帆はこの映画で随分化けたように思う。
彼女の飾らない演技がこの映画の質を随分とあげている。田舎娘が似合うだろう娘とは思っていたがあれ程はまるとは思っていなかった上、なによりあそこまで演技は期待していなかったし期待できるとも思っていなかった。
もちろん監督の演技指導と、脇を固めるベテラン俳優のサポートあってのことだとは思うが。
それでも実力以上の、もしくは元々持っていたであろういい部分がうまく引き出されている。

大沢役の岡田将生も演技臭さを感じることのない見事な演技。
夏帆との掛け合いもバッチリで"いつも一緒にいることが当たり前の二人"という雰囲気を見事に出していた。
身長高めの夏帆が随分と小さく見えるくらいの身長。
まさに好キャスティングとしかいいようがない。

その他の登場人物もなかなかに印象的。
こまっしゃくれた下級生に、きもちの悪い郵便局員、得体の知れない大沢の母・・・
なかでも、大沢と浩太朗の"頼れるにいちゃんと弟分"の様な関係や、同じくそよとさっちゃんの"おねいさんとちびっ子"の関係などはギクシャク感皆無で、正直観ていて驚いた。

ラストカットは秀逸の出来。
長回しが終わった後に、万感の思いで様々なシーンが走馬灯の様に頭に流れた。


内陸に住んでいる人間にとって、山と田んぼと海というシチュエーションは最大の憧れ。
そしてもう取り戻すことの出来ないかけがえのない季節。
雰囲気を壊すことなくゆったりとした時間の流れの中に、その全てが見事にパッケージされたこの映画。
何が起こるわけでもなく、何かためになるテーマがある訳でもない。
ただ、映画館を出る時に妙に幸せに気分になっていた。
この映画はそういう映画だった。

≪追記するコーナー≫
ドラマ"女王の教室"で初見の夏帆。決して可愛くはないのだが声が好みで妙に気になる娘だと思っていた。その後ドラマやCMで活躍しているのを見かけたが、いつの間にかこんなに立派になってくれて個人的に嬉しい。
よくよく考えたらリハウスガールに向かってなんて言い草だろう・・・

■対象
好き嫌いは分かれると思うが、出来るだけ多く、若い層に見て欲しい
■見所
スイカぬりぬり、予告チュー、チョコの行方、覗くそよ、ラストカットなどなど盛りだくさん。
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by unknown0083 | 2007-08-20 19:15 | 映画

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