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【映画】シッコ  

【映画】シッコ_d0057574_2271836.jpg■状況
MOVIX伊勢崎にて映画の日価格で観賞
■動機
誘われて
■感想
良作。驚いた。

■あらすじ
アメリカの医療問題に鋭く切り込むドキュメンタリー映画。




■コメント
驚いた。非常にいい映画だった。
プロパガンダ色の強い映画だと構えていただけに、この軽快さにしてやられた感じだ。

アメリカの医療問題に鋭く切り込んだドキュメンタリー映画だが、堅さや重苦しさは殆ど感じられない。
アメリカの問題点に取り上げられる人々はそれぞれに悲惨な状況に追い込まれてはいるが、それがアメリカの全てではないだろう。そもそも日本とは仕組み自体が違うので簡単に判断できない部分はあるが、全員が全員この状況だったら、アメリカという国に医療はないことになってしまう。流石にそんなことはないと思うので、これは特定の人達の話なのだろう。
ただこの映画は、こういう事態になることがわかっていながら何の対策も施さなかった、また、施そうとしたがその芽を潰してしまった者に対して、しっかりと疑問と怒りの矛先を向けている。
しっかりと自分の主張を入れているとことがニクイ。

ただ、アメリカ政府および人民は、何故あれほどまでに社会主義を恐れるのがわからなかった。
教育の問題なのか国柄の問題なのか。
社会主義がイコール「悪」だと思う根本的な何かがあるに違いない。

他国の医療制度の優れた部分を比較対象に見せてはいるが、これを「だからこのままだとアメリカはヤバイんだ」という所に落とすのではなく「現状の制度に問題があるなら変えていこう。模範はどこにでもあるし、問題を認めることが出来るのもアメリカだ」というところに落とす所に、マイケル・ムーア監督の深い愛国心を感じることが出来た。

アメリカへの旅行中に病気や怪我で病院に行った場合、保険制度がないのでもれなく高額の医療費を請求されることになるようだ。
では、日本の場合はどうなのだろう?やはり全額負担になるのだろうか?自分の国のことなのに意外と知らないことが多い。
しかし、そういう場合でも全く医療費を取らない国もあるという。
盲点ではあったが、知ると非常に驚かされる話だ。


各国それぞれに特色のある医療制度。
国民に非常に近いところにあるこの問題(教育制度もそうだが)は、いかに国民の側を向いているかが重要。
ゆえに、アメリカの制度が全くダメな制度だというわけではなく、アメリカの制度にもアメリカの制度のよさがあるのだろうと思う。※本作では語られてはいないが

医療制度に若干の綻びが見えつつある日本ではあるが、それでもアメリカの現状に比べればマシなほうだろう。
日本人でよかったと、つくづく思わされた。

≪追記するコーナー≫
ところでアメリカ本国ではこの映画はどういう扱いなのだろう。
マイケル・ムーアに垂れ込みすると脅したらすんなり医療費がおりたなどのエピソードを暴露したり、スター・ウォーズ的テロップ(音楽付き)を流したり、小ネタ的なものを配置したりと、もしかしたら娯楽的な要素が結構強いのかもしれない。

■対象
みのもんたや堺正章に騙されない人
■教訓
"教育"と"健康"と"士気"を奪われる前に動け

by unknown0083 | 2007-09-01 15:50 | 映画

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