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【DVD】カナリア  

【DVD】カナリア_d0057574_021568.jpg■状況
レンタルDVDにて
■動機
ありていに言えば谷村美月観賞ということに
■感想
谷村美月の圧倒的なパワーに圧倒されっぱなし

■あらすじ
光一(石田法嗣)は、母(甲田益也子)が傾倒するカルト教団「ニルヴァーナ」の施設で妹とともに数年を過ごしたが、教団が崩壊後、関西の児童相談所に預けられた。そこへやってきた祖父(品川徹)は、光一を残して、妹の朝子だけを引き取り、東京に戻ってしまった。




■コメント
映画「檸檬のころ」を見る前に谷村美月をみたかったというのがひとつ。
谷村美月の枕詞に"カナリアの"とつくので気になったというのがひとつ。
合計ふたつが揃った為、いつも利用している「TSUTAYA DISCAS」にて優先度を下げてレンタル設定したら即行来たという優れモノ。
ドラマ「14才の母」と映画館で流れる"海賊版撲滅キャンペーン"で、あまりいい印象がなかった谷村美月。
当時、これで気に入らなければ「檸檬のころ」はパスする手筈だったのだが・・・
結果は、こちらでもわかるように、目的が完全に入れ替わってしまうほどの惚れ込みようになった。

映画は、カルト教団崩壊後の世界を生きることになった少年とその少年に関わることになった少女が、東京の祖父に引き取られた妹を取り返しに行くロードムービー。

全編、メインテーマとばかりに描かれるのは人のエゴ
過去の話として語られる教団内部のエピソードや、教団内で地位を上げていく母親、妹だけを引き取った祖父、レズカップルの事情、売春、必要悪、信仰を失った人々など。
監督・脚本の塩田明彦は人間のもつ色々なエゴを描き出し、子供の視点ではどう見え、それらにどう立ち向かうのかを書きたかったのだろうか。
そう考えると、若干長めに設定された上映時間も、その中で長めに尺を取ったレズカップルの話も、信仰後の元信者達の話も納得がいく。

その子供たちを演じる石田法嗣と谷村美月、特に由希役の谷村美月が圧巻。
関西弁で捲くし立てる半端ではない台詞の量、表情や声色作りや一つ一つの動作、そのどれもこれもが劇中に人を引き込む妙な力にあふれている。
「子供は親を選べへんのや。親が子供を選んでいいんか?」
などという台詞も、彼女の台詞だからこそクライマックスに相応しい台詞になりえてるように思う。
公開時若干14歳。恐るべき女優の大器の片鱗を覗かせる。


この国では、信仰の自由が認められ、それぞれ個人の自由で選ぶことができるが、子供(特に未成年)の信仰の自由は残念ながら認められてはいない。
どうしても親の信仰に従わざるを得ない環境下にある。
親が結果的に間違った信仰に足を踏み入れた場合、子供の人生は大きく曲がっていく。
このカルト教団は、実際のカルト教団をモチーフにしているようですが、こういう子供は現実には多いのではないか。
もしかしたら、未だに信仰を捨てない子供たちの中にも、捨てられない理由がある子供がいるのかもしれない。

終盤、解脱したかのような光一の変貌に対する解釈は自分の中で未だ消化不良。
だが、"世界を駆け抜ける"映像が多かった二人が未来に向けて"ゆっくりと歩く"ラストがやけに印象的だった。

≪追記するコーナー≫
なにやら宗教に寛容な文章になっているが、私は特にどこにも属していないつもり。
だが週末頻繁に訪れる勧誘の方には「尾崎豊教徒ですから」と言って断っている。
なんの関係もない話。

■対象
出演者に興味のある人は見ておいたほうが良いかと思う作品
■見所
由希(谷村美月)と光一 (石田法嗣)の噛み合わない会話

by unknown0083 | 2007-09-21 23:21 | 映画

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