【映画】クローズド・ノート  

d0057574_20232772.jpg■状況
109シネマズ佐野にて無料観賞券で観賞
■動機
雫井脩介映像化企画第二弾
■感想
沢尻エリカは正しい事を言っている

■あらすじ
香恵(沢尻エリカ)は引っ越した先で、前の住人が忘れていった1冊のノートを見つける。そのノートは日記になっており、香恵はついつい他人の日記を読んでしまう。




■コメント
2006年の初め、病院の待ち時間を潰す為に購入した本が雫井脩介の「犯人に告ぐ」で、この映画はその時に買おうかどうか悩んで買わなかった方の本。
奇しくも、購入を悩んだ2冊が同時期に劇場公開されることになり、それはこの第二弾。
※「犯人に告ぐ」は先に映像化され、公開は後

まずは予告編の出来の良さに唖然。
ちょっと見るだけで全ての内容が分かってしまう作り。
導入から結末まで、劇中のちょっとした仕掛けの解答も含めて全てが分かってしまうというスグレモノ。ちょっとやりすぎだろうと思った。

そして本編は、本当にそれ以上の見所もない出来栄え。
あまりに見事な何もなさぶりに、唖然を通り越して逆に楽しくなってしまった。


原作は読んでいないのでそれを踏まえていくつかの問題点。
先ず、年号は見せないほうが良かった。香恵の時間と伊吹(竹内結子)の時間がどれくらい離れているのかは秘密にしておいたほうが面白みがあった。
次に、写真は見せないほうが良かった。あくまでも息吹は想像上の人物として配置するか、時間軸を飛ばした別の物語にしておいたほうが無理なく作品に入れると思う。
更に、隆をちゃんと見せるべきだった。隆役の黄川田将也をメインキャストに登録しておけば、これほどまでにそこの浅い物語にはならなかったのではないかと思う。
加えて、テンションを統一するべきだった。作品中何度となく、役者と演出のテンションの差異が見受けられた。真面目に演技しているシーンでコミカルな音楽が流れたりするのは非常に違和感があって気持ち悪かった。
・・・と、見せるべき所と隠すべきところが入れ替わってしまっているのが妙に気になる映画だった。※というか、この監督はいつもそうだ。

なお、テーマは心の強さといったものらしいが、台詞に何度も出てくるこの言葉は、言葉以上の何物でもなく、単にキーワードとしてのみ劇中に存在する言葉。それがどういうものなのか、どうあるべきなのかといった部分は全く描写されていなくて驚いた。
特に、不登校の児童の件はとても酷く惨く哀れで残酷だが、これはこれで良しとしてしまった監督および脚本家の心のありようを疑う
結局、先生は自分の論理を押し付け、児童がそれに妥協した形で収束したのだが、劇中では「おかえり」と言って迎える。正しくは「ありがとう」だろうと。
そもそも「伊吹賞」など言語道断。コミカルな演出にしても気持ち悪さは拭えない。
妙な"太陽の子教"を見ているような気がしてイヤな気分になった。


だが、役者の演技は決してまずくない。
沢尻エリカの喜怒哀楽はちゃんと伝わるものだったし、"真面目少女の初めての恋"さ加減も上手く表現していたし、おねだりのシーンは実に生き生きとしていたし、マンドリンをお願いされた時の微妙な表情も実に見事だったし、リュウのアトリエでの所在無さ加減も共感できたし、事前インタビューで"自分とは魔逆"の様なことを言っていた割には、そこにはそういう女の子がいるように見えたのだから、演技が下手とかやる気がないと言う訳ではないということが容易に分かる。
竹内結子も思っていたよりは変ではなかった。先述の"太陽の子教"等、痛々しい台詞や行動が目に付いたが、それは別に役者の問題ではない。
普通にしていてくれれば、安定した感動が得られるはずの土台は揃っていたと思う。

それを、わざわざ演出過剰にして外部から感情をコントロールしようとするからおかしくなる。
作家は自分以上の天才を書けないから天才の回りにバカをおいて相対的に天才を秀でてみせるように演出するというが、この監督ももしかしたらそうなのではないか?
安定した感動以上のものを作り出せなかったから、そこを基準に回りの演出をわざとダメダメに作って、相対的に安定した感動をそれ以上の感動に仕立て上げている。
もし本当にそうだとしたら、ダメにされた部分の演者は黙ってはいないだろう。


さて最後にこの物語には大きな謎がひとつ。
あの日記を香恵が発見した場所に置いたのは誰なのかと言うこと。
冷静に物語を見なくても伊吹があそこにしまうことは不可能。
一体どういうことなのだろう・・・

≪追記するコーナー≫
冒頭タイトル表記の際に筆記体でヌラヌラ書かれる役者名。
その効果音が万年筆のものではなくサインペンのものなのは何かの冗談かと思った。


▼沢尻エリカのコーナー
劇場公開1週間前から精力的にプロモーション活動をしていた沢尻エリカ。個人的には好きではない女優だが、見ている番組に悉く出演していたので嫌が応にも見ることになった。
その際に沢尻エリカが終始一貫して言っていることが、
「見所はありません」
「テーマと言ったものも特にない、普通の映画です」
というもの。
その時は「沢尻やるきねー」と思ったものだが、出来上がりを見てしまえば何のことはない沢尻エリカの言ったとおりのものだった。

本文中にも書いたが、沢尻エリカはちゃんと自分の仕事はしている。その上でこういう発言をしているということが良くわかる。
以前ミュージシャンで「言いたいことは曲に書いた」と言って内容スカスカのアルバムを出したグループがいたが、今回の沢尻エリカにはこれとは全く逆の印象を受けた。
流石に舞台挨拶の件はやりすぎだとは思うが、不快に感じているのはその場にいなかった人達ばかりというのもまた事実。
まあなんにしても、主演女優にここまで言わせた監督の罪は重いと思う。

≪追記するコーナー≫
しかし話題を振りまきながらたった一人で2週間に渡り、直接的・間接的にプロモーション活動を行った彼女のプロデュース能力には頭が下がる。
今後も好きになれそうにはないが、無能な人ではないと言うことが良くわかった。
それはそれで収穫。

■対象
沢尻エリカの言わんとした事が気になる人、ダルビッシュ関連で名前がしれたサエコという人の顔を見たい人
■見所
特にありません。
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by unknown0083 | 2007-10-06 12:40 | 映画

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