【映画】パンズ・ラビリンス  

d0057574_17102666.jpg■状況
MOVIX伊勢崎にて無料鑑賞券で観賞
■動機
各映画評で好評だった為
■感想
すみません。無料で観ちゃってごめんなさい。

■あらすじ
1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。




■コメント
今年見た海外映画の中ではダントツの映画。
エンドロールの役割を始めて知った。

正直、感想になんて書いていいのか分からない。
見ている最中は確かに彼女はお姫様だと思っていたし、見終わった今でもそうであって欲しいと思っている。
しかし現実にはシネマトゥデイから抜粋した上記のあらすじに書かれている通りだろう。
が、それでも、彼女はエンディングのナレーション通りの道を辿ったと思いたい。


・・・・・・・・・。
感想が終わってしまった。
仕方ないので、後は考察の様なものをあれこれ。

d0057574_22232094.jpg1944年という奇妙な時代設定には大きなな意味があった。世界大戦中の時代設定とはいえ、日本の歴史教科書から完全に抜けているスペインのことは、実は何ひとつ分かっていない。だが、過酷な時代にあったということは映画の中から容易に想像できる。
外は戦場、中には恐ろしい継父、召使いはゲリラの内通者、そして唯一の味方である母は身重で体調に不安を抱えている。
少女オフェリアにはどこにも安息の場所はない。
どこかに逃げ道を探さなくては心の平静が保てない程の過酷な世界において、彼女は自らの心の中にそれを求める。


一般的なファンタジーというよりは御伽噺の世界に近い。
出てくる妖精はちっとも可愛くないし(むしろ不気味)、オフェリアを姫様と呼ぶ妖精パンも完全に好意的というわけではない。試練はあるが魔法はない。普通の少女であるオフェリアの武器は自らの信念と勇気のみ。
ワクワクもドキドキも何もない。

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試練は容赦なく過酷だ。
最初の試練では蟲の群れに集られドロドロになりながら、2つ目の試練では怪物に襲われそうになりながら、オフェリアは試練をこなす。だが2つ目の試練で犯したミスにより彼女は王女としての資格を失う。御伽噺の世界も現実と同様にオフェリアに優しくはない。
忘れてはいけないのは今は戦時下で、ここは隊ゲリラの最前線拠点。アレだけのご馳走を前に、手を出すなと言うのが無理というもの。自業自得ではあるのだが仕方がないだろう。

d0057574_22201983.jpg彼女が試練をこなしている間、外ではレジスタンスと正規軍の戦いが激化していく。
それに呼応する形で母の容態も悪化。
オフェリアとしては試練どころではない。
だが約束の期日は迫る。
2つ目の試練に行く前に渡されるマンドラゴラの根。
実物は確かにある。
だが、マンドラゴラの泣き声を誰も聞いていない。
魔法の本も人のいるところでは出してさえいないし、試練の中で手に入れたものは現実世界で出してはいない。脱出もチョークを使えばよかったものを使わなかったのは何故か。

もう答えは出ている。
全ては彼女の世界の中の話だ。
戦争の時代を生き、内戦で実父を失い、その内戦で活躍する軍人と再婚する母とともに、再婚相手の恐ろしい継父の下に送られ、誰にも縋れず、誰にも助けを求められず、孤独に時代を生きなければならなかった悲しい少女の、その心の中の物語だ。
ファンタジー映画の皮を被った戦争映画と言ってもいい。
こういうアプローチもあるのかと感心せざるを得ない。
確かに史実を語るよりも深く、悲劇が刻まれた。

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しかし、だからこそ彼女はどこかで救われたと信じたい。
彼女が最後に見た景色に、真実の父と母の姿があらんことを。

≪追記するコーナー≫
d0057574_22273446.jpg評判がいいということは知っていたので、随分と前から絶対に観ようと思っていた。なので一切の情報を封鎖して観賞したのが良かったのかも知れない。
映画紹介ページのあらすじすら読まなかった。
それだけの思い入れに答えてくれたいい映画だった。
この映画を紹介してくださった皆さんへ感謝。

≪蛇足するコーナー≫
本編終了後しばらく混乱をきたし、スタッフロールの間になんとかクールダウンを試みる。
それはいやな余韻ではなく、なんともいえない感じのもの。
明かりがついてもちょっとの間立てなかったのは初めてだ。

■対象
カップルで行くと気まずくなること請け合い、出来ればお一人でのご観賞を
■見所
目を逸らしても許されるシーンはあれど全編見どころと言っていい映画。
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by unknown0083 | 2007-11-18 11:40 | 映画

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