【DVD】こわい童謡 裏の章
2007年 11月 29日
購入したDVDにて観賞
■動機
地方には来なかったため
■感想
「間の章」に期待
■あらすじ
聖蘭女学院の音楽室で合唱部員12人が惨殺された事件から5年後、深夜の校舎から童謡が聞こえるという噂を聞きつけ、廃校となった校舎にテレビクルーが訪れる。取材に同行した音響分析官の響子(安めぐみ)が独自に調査する中、事件をなぞるように次々とスタッフが異変に見舞われる。
■コメント
「表の章」と「裏の章」がセットになっているボックスを買ったので、迷わず裏の章も観賞。
「表の章」を事件編とするならば、こちらは解答編。
多く投げっぱなしで終わった「表の章」を、どう完結させるのかが知りたくて観てみたのだが、どうやらスッキリと完結はしなかった模様。
表の章の謎解きで必要なのは、
1.誰が?
2.どのように?
3.何の目的で?
以上の3つ。
そのうち「1.誰が?」に関しては、表の章を見ればなんとなくわかりそうなものなので、残りの2つ"動機"と"手段"について一体どうなっているのかということと、その事件の全容がどのようなものだったかという再現映像を期待したのだが、残念ながらそこは語られなかった。
代わりに語られるのは、どうしてこんな事件がおきてしまったのかということで、それを科学的に検証する工程が「裏の章」の多くを占める。
そもそもの部分になってしまうので、それを言ってしまったらおしまいなのだが、目に見えない、耳に聞こえない、手に触れることもできないものを扱って、科学の力で色々と検証してみる事が面白いとも思えない。
というか、オカルトならオカルトでいいんだ。
別に色々な事象に関して科学的根拠は求めていたりしない。
検証に使うデータも警察から流れてきたデータを使用しているようだが、5年経ったくらいで警察からそうそう捜査資料が流れてくるとは思えず、また、安めぐみ扮する音響分析官という仕事がどれだけ特殊でどれだけ専門的であるかという描写がないため、言っている事や分析した結果に今ひとつ説得力がなかったりと、あるゆるところで残念な感じがしてしてしまう。
学園についても、どう考えてもそんな場所には建てないだろうとか、校舎からそんなところに行けるような作りにはしないだろうとか、色々とツッコミどころが出てくる。
"科学的な分析"イコール"リアリティの追求"だと思っているので、この脇の甘さは正直いただけなかった。
主演なのにテンションのやけに低い安めぐみと、業界人役の津田寛治のやけにオーバーな演技は、双方ともどこまで本気でやっているかわからない為、お互い少しずつ譲り合いバランスのいいところで落ち着かせればいいのではないかと思わなくもなかった。
そんな中「表の章」から再登場する多部未華子の壊れた演技には目を惹くものがあった。
「表の章」から5年が経過し23歳になったビジュアルにはちょっと見えないが、当時の回想シーンはどれも素晴らしく、多部未華子はこの映画で新境地を開いたのではないかと感じた。
また、予断ではあるが「表の章」での惨劇のラストに聞こえた"こもりうた"は寒気がするほどいいシーンだったということが判明して、少しうれしくなった。
熱狂的な安めぐみのファンでもない限り「裏の章」のみ鑑賞することはまずないと思われるが、もしそういう人がこの映画を見た場合、一体どんな反応をするのか興味が湧く。
最後にホラー映画らしくしめてはいるが、ホラーと科学の相性はあまりよくないのだなという感想を持った。
■対象
「表の章」をご覧になった方、熱狂的安めぐみファンの方
■見所
多部未華子の壊れた演技
by unknown0083 | 2007-11-29 22:05 | 映画