【映画】Little DJ 小さな恋の物語  

d0057574_2215011.jpg■状況
109シネマズ佐野にて通常価格で観賞
■動機
神木隆之介&福田麻由子 → 広末涼子
■感想
期待通りの出来に拍手。

■あらすじ
1977年、野球少年・高野太郎(神木隆之介)は試合中に急に倒れる。そんなことが何度か続いたある日、母親(西田尚美)の妹であるかなえ(村川絵梨)の勤める田舎の病院に入院することになる。そこで太郎は全身包帯姿で搬入されるたまき(福田麻由子)に遭遇する。




■コメント
個人的に、お気に入りの"天才"リトルアクター神木隆之介と、もっともお気に入りのリトルアクトレス福田麻由子の組み合わせというだけで、観る価値を見出すことの出来る作品。
見事に期待に応えてもらった形になった。
※アニメ映画「ピアノの森」でも競演しているが修平と便所姫の為、絡みなしのだった疑惑。

広末涼子のシーンから始まり、時代が戻ったところで福田麻由子ではなく何故か神木隆之介視点に変わるのだが、一瞬おやっと思うだけでそれほど気にならずに入り込める。

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とにかく主演の二人が素晴らしい。
この二人の競演は密かに楽しみにしていただけに、観ているだけで満足と言ういう一面も確かにある。お気に入りの俳優が出ているからと言ってそれだけでバンザイという訳ではないが、それでも二人を観ているだけでワクワクしてしまうのは仕方がない。

この物語は神木隆之介と福田麻由子ありきで作成されている感じがする。
つまり、広末涼子の子役として福田麻由子が選ばれたわけではなく、福田麻由子の大人役として広末涼子が選ばれたという感じ。
これは非常にいい選択。
何しろ二人は声の質が似ている。二人とも猫っぽい声。
福田麻由子はその存在感で大人役の人間を食ってしまうことが多々あり、今回の広末涼子も多分にもれず存在感としては食われている感じは否めないが、声の共通点のおかげでこういう大人になったと認識できる。
ナイスなキャスティング。

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主演の二人は文句のつけようがない。
それぞれの個性に合わせた配役で、演じているほうも楽しかったのではないだろうか?
実年齢は神木隆之介の方がひとつ上だと知っていたので、福田麻由子の方が年上という設定には若干戸惑ったが、持ち前の魔性の女っぷりで少年を翻弄する姿は間違いなく年上少女のそれだった。
※魔性の女度(小悪魔っぽさ)は子供の頃の方が強いのはご愛嬌
声変わりした神木隆之介の声はなんとなく聞いていて落ち着く感じのするいい声だ。
ラジオパーソナリティとか本当に向いているかもしれない。

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脇を固める俳優陣もなかなかの好キャスティング。
中でも母親役の西田尚美が抜群によかった。昭和50年代における理想の母親像、子供には優しく思いやりがあるが時に厳しく、家庭内では一歩下がって夫を立て、しかもそこそこ美人。うらやましい。
特に平手打ちのシーンは正に母親のそれだった。"無視"か"悪態"か"慰め"か"殴る"かの選択肢があったシーンだが、やはり平手打ちが一番しっくり来る。あの瞬間の西田尚美は本当の母親のようだった。
その後のシーンも複雑な心境を台詞無しで見事に表現していた。

同室の患者役の光石研と松重豊もいい味を出していた。松重豊は子供を相手にさせると頗る格好のいい大人に見えるのは何故だろう?
叔母のかなえ役の村川絵梨はどこかで見たような気がしたら「椿三十郎」に出ていたガッツポーズの腰元だった。

d0057574_2236965.jpg基本的に苦手というかキライなジャンルである難病ものも、この二人に掛かるとそうでもなかった。どちらかと言うと思春期ものとして観ていたからかも知れない。
死に行くものに対して泣かせの演出をするのではなく、あくまでも短い一生を力強く生きようとした少年の物語としようとしたところに好感を持った。

あまり気付かないような細かい伏線をいくつも張り、少しづつ解消していく構成が見事だった。
てっきりクイーンの件で使われると思っていた「ALL」の件は、「愛こそ全て」の原題を知らなかった為に、そこではないと知った瞬間結構背筋の寒くなる思いをした。
劇中で太郎が聞いているラジオ番組まで伏線になっていたのは驚いた。
最後に小林克也がいいことを言った。

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太郎とたまきの幼い恋心。
ダイヤモンドを逆走したり、一緒のベッドでラジオを聴いたり、屋上から退院患者を見送ったり、その小さなエピソード一つ一つの積み重ねが非常にいい感じで、心に残る。
彼らの小さな冒険は、ちょっとだけスリリングでドキドキしながら観てしまった。
ちょっとしたルール違反もあるが、病気の事を知っているわけでもなし、子供のやることだし、そこは大目に見ようと思う。

d0057574_22434087.jpg思い出は絶えず美化されていく。
不意に居なくなってしまった人を変わらずにずっと思い続ける気持ちは、男性であればなんとなく共感できるのではないかと思う。
「ラストコンサート」のヒロインのように、恐らくは病気については何も告げなかったであろう太郎の心情を思うと、ちょっとだけ切なくなったが、全体的には心温まるいい物語だった。

≪追記するコーナー≫
個人的に、何も告げずにいなくなるのは男性の美学だと思っている。
しかしこれは残されたものの事を一切考えない身勝手なものだとも思っている。
原作者は男性だが、脚本も監督も女性なのだから、そこは自らの美学に合わせていじってもよかったのではないかと思った。
そうなると「ラストコンサート」に代わるキーワードを探さなければならないが・・・

■対象
思春期もの、子役映画、難病ものが好きな人、30年代から40年代前半生まれの人
■名言
「もう20年だ」
■見所
神木隆之介、福田麻由子と朝帰り。※本当は平手打ちのシーン
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by unknown0083 | 2007-12-16 13:20 | 映画

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