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【DVD】明日へのチケット  

【DVD】明日へのチケット_d0057574_201659.jpg■動機
DVD「麦の穂を揺らす風」内の予告編にて
■感想
連作短編だとは思わなかった
■満足度
★★★★☆☆☆ そこそこ

■あらすじ
1.初老の大学教授は飛行機が欠航のため、女性秘書に便宜を図ってもらい列車で帰る
2.兵役義務の一環で将軍の未亡人を相手にするフィリッポは社内で同郷の少女に出会う
3.セルティックのサポーターの少年達はサッカー観戦の為にローマに向かう




■コメント
エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチという、いずれもカンヌ映画祭でパルムドールを取っている三人の監督による連作短編作品。
物語は繋がっているのでオムニバスではない感じ。

三人の監督が共通してもつものなのかどうかは分からないが、かなりゆったりとした作品になっている。そして、全て同じ列車内の物語。

【DVD】明日へのチケット_d0057574_2051180.jpgまず、エルマンノ・オルミ監督の教授の話。
監督の手法を知らない為に、見ながら大混乱を起こした。同一時間上の話に何度も戻るので、どれが現実の話だか分からなくなる。
これらは恐らく教授の思考の中の再現映像なのだろう。時間は先に進んでいるが、教授の思考が戻っている。
少し分かりづらかったが、そういうことなんだろう。
日本人なら恐らく三人に一人はやるであろう行動を物語の締めに持って来てしまったので、残念ながらそこに感動は生まれなかった。※むしろイライラしてしまう結末
これは単に国柄の問題。日本人向けではなかったということか。

次に、アッバス・キアロスタミ監督の若者の話。
主役の老婆の傍若無人さにフラストレーションが溜まる。
どんな人なのだろうと思っていたら、軍の偉い人の未亡人だったようで、それにしても随分と横柄な態度だ。偉いのは旦那であってあなたじゃないよっといいたいが、そういう奥ゆかしさというのは日本独自のものなのか。
【DVD】明日へのチケット_d0057574_20125740.jpg
だが、同郷の少女が、少女と大人の中間というか、美人と可愛いの中間と言うか、非常にバランスのいい女の子で、その存在感についつい魅入ってしまう。チラチラと見えるスタイルのいい美女もしかり。
結末についてはアレが許されるのかどうか疑問が残るが、スッキリしたのはいうまでもない。
兵役のない日本人には少し分かりづらい内容なのかも知れない。

【DVD】明日へのチケット_d0057574_2053635.jpg最後、ケン・ローチ監督の少年の話。
セルティックvsローマの試合を観戦しにいくセルティックファンの話で、これはどういう日本贔屓なのかとちょっとニヤニヤさせてもらった。
初回(?)から登場している難民家族が物語に大きく絡んできて、この物語が連作なんだと意識する事は出来るのだが、如何せん扱っている題材が日本人に馴染みの浅い難民問題なので、こちらもどうにもピンとこないものがある。
が、難民は差別されているという事が強烈に理解できる作りにはなっているので、そのあたりは親切・・・なのだろうか。
テンポのいい少年達の掛け合いや最後に見せるやさしさと度胸にちょっとだけ感心。
最後になんだかスカッとさせてくれるいい話だった。


難民に関して詳しければまた別の視点から見る事ができるんじゃないかと思う。
私は全然詳しくないので浅くしか見られなかったが、そのあたりの裏事情が分かっていれば、教授の英断も少年達の好意も、また違った風に見られるかもしれない。

≪追記するコーナー≫
なお、一番面白かったのは2番目のお話。
現状の満足度はそこそこでも、もしかしたら後で観返して評価が変わるかもしれない。

■状況
レンタルDVDにて
■対象
カンヌ映画が得意な人は必見かも知れない
■見所
セルティックvsローマは中村俊輔と中田英寿。狙ったのか偶然なのか。

by unknown0083 | 2008-01-18 20:15 | 映画

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