【DVD】セブン・イヤーズ・イン・チベット  

d0057574_226955.jpg■動機
チベット情勢の悪化でこの映画を思い出した
■感想
今こそこの映画を世界中で上映するべきではないか?
■満足度
★★★★★★★ まんぞく

■あらすじ
1939年、世界最高峰の制覇を目指し、ヒマラヤ山脈へと向かった登山家ハインリヒ・ハラー(ブラッド・ピット)。だが彼は第二次世界大戦の勃発により、イギリス軍の捕虜となってしまう。登山仲間とともに、ヒマラヤ山脈を越える決死の脱出を図るハラーたち。そして逃亡の果て彼らは、チベットの聖地・ラサへとたどり着く。




■コメント
昨今、再び情勢が悪化してきたチベット問題を、
もう一度勉強しなおそうと思って鑑賞。

もとはドイツ国籍のオーストリア人、ハインリヒ・ハラーによる自伝を、
主演にブラッド・ピットを迎えて映画化した作品で、
2006年にこの世を去るまでダライ・ラマ14世と親交があったという、
登山家の物語なのだが、
おそらくこの映画の存在が日本でそれほど知られていないのは、
かの大作「タイタニック」と公開時期が重なってしまったからだろう。
※それについては色々とエピソードがあるのでやけに覚えている・・・

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1939年、第二次世界大戦中のヨーロッパから、
母国ドイツの威信をかけてヒマラヤ登頂に臨み、
そこから1951年に母国に戻るまでの12年間の物語だが、
そのうちチベットで過ごした7年間についてのことがタイトルになっているのは、
彼にとってチベットでの7年間が非常に密度の濃いものだったからではないかと、
勝手に想像してみる。
※原作も同タイトル

とはいえこの映画、いわゆる滞在日記には終わっておらず、
ラサに入るまでに上映時間の約半分を使って、
「ハインリヒ・ハラー」という人物がどういう人物なのか、
丁寧に描いている。

そこにいるハインリヒ・ハラーという人物は、
自意識過剰で抜け目がなく悪知恵が働き悪びれないという、
どこを切り取っても愛すべき主人公という感じではないのだが、
なんとなく人間臭い人物だった。

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戦争も終わり、故郷へ帰ろうとする直前、
彼はダライ・ラマ14世への謁見を許される。
というかダライ・ラマ14世から招聘された、
というほうが正しいのだが、
このことが彼の人生を少しづつ変えていく。

他人を認め、人をうらやむ事をやめ、受け入れていく。
チベットの空気がそうさせたのか、ダライ・ラマ14世のもつ力か、
そこは詳しくかかれてはいないが、
ダライ・ラマ14世との交流が彼を変えていったことは確かだ。

不思議に感じたのは、
彼はダライ・ラマの側にいながら、
仏門に入ったわけではなく、
チベットの礼儀や慣例等は学んではいるが、
恐らく自分の信仰は捨てていないんじゃないか、
と思わせるところ。

もしかしたら二人は、
信仰を超えた友人という事なんだろうか?
だとしたらそれは素晴らしい事だと思う。

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しかし、この安らかな時間はいつまでも続かない。
第二次世界対戦後の、中国のチベット侵攻により、二人の交流は引き裂かれる。

旅立ちの際に、一番気に入っていたと思われるオルゴールを、
ダライ・ラマ14世はハラーに託し、
ハラーはそれを息子に託す。
遠く離れた友人から、息子へと受け継がれたオルゴールが、
静かな感動を運んでくれた。

≪追記するコーナー≫
かつて日本でも徳川政権がキリスト教を弾圧したように、
信仰というものは時として権力者を恐れさせる。
映画はチベットにいた彼の視点から描かれているため、
物語の全てが正しい事実というわけではないだろう。
それでも、今のチベット情勢を見ていると、
この映画が紛れもない真実に見えてくる。
そして、この動乱はまだ終わってはいないんだという事実に、
とてもやりきれない気分になったりする。

≪蛇足するコーナー≫
「頂点を極める事が英雄ではなく自我を捨て去る事が理想」というチベットの思想は、
現在流行中の「オンリーワン思想」とはまた違う、難しい思想であると思う。
確かに世界中の人間が自我を捨て、
他人を受け入れる事が出来れば、
争いごとも起こらないとは思うのだが・・・
っと漠然と思っていたら「人類補完計画」という言葉が頭をよぎった。

■状況
レンタルDVDにて
■対象
「チベット問題」でゆれている今こそ、再びこの映画を世界中で上映するべきだと思う
■見所
ブラッド・ピット全般、ダライ・ラマ14世、中国情勢、仕立て屋さん
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by unknown0083 | 2008-04-29 22:22 | 映画

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