【映画】プライド  

d0057574_2372280.jpg▼動機
近場でやってるレア物映画だから
▼感想
満島ひかりを舐めていた自分を反省
▼満足度
★★★★★★☆ いいかも

▼あらすじ
名門の三田音大4年生の史緒(ステファニー)の住む豪邸に、ハウスクリーニングのアルバイトで、二流大学である千住音大3年生の萌(満島ひかり)が訪れる。自分の部屋にグランドピアノがあるほど裕福な史緒は、萌に5万円のオペラのチケットを渡してオペラに出掛けるが、会場で格差を思い知った萌は思わず激しい嫉妬を史緒にぶつけてしまう。




▼コメント
これは思わぬ拾い物をした。
「レア物だから」という動機でみた映画だったが、これは凄く面白かった。

原作は一条ゆかりの少女漫画。今回その存在を初めて知った。
音大のオペラ科に通う女子大生同士の「女の戦い」を描いたドロドロの物語かと思ったが、想像していたのよりもっともっと面白かった。
※監督は「デスノートシリーズ」を撮った金子修介なので、今作も同じように原作を大事にした映像化をしているんじゃないかと思っている。

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この映画は緑川萌役の満島ひかりに尽きる。
満島ひかりオンステージと言ってもいいくらい。
妬む、嫉む、卑屈になる、媚びる、脅す、縋りつく、怒る、殴る、不貞腐れる・・・
とにかく壊れ演技が凄い。
加えて、こういうマイナス感情出している後にプラス感情だしたりする急変振りや、そのプラス感情が非常に腹黒そうに見えたところも魅力的。

こういうのを"ハマリ役"というんだろう。
こんな「どこにも共感できなさそうな女」を、実に活き活きと演じている。
もう、この映画は彼女一人でが持っているといっても過言ではないくらい。
本当によくやったという感じ。
原作でのキャラクターがどんなものなのかはわからないが、これは間違いなく彼女の役だと思った。

実はこれまで満島ひかりにはあまりいい印象を持っていなかった。
以前に出演した映画「デスノートシリーズ」で演じたあまりに品の無い夜神粧裕像に、激しくがっかりさせられた記憶があるからだ。

しかし、今回の映画ではその品の無さを最大限に生かしている。※褒めてます。
自分の持っているものは最大限に使う、
その為に邪魔なプライドは全て捨て去る、
そういう生き様が役と役者でシンクロしているように見えた。

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一方、主演のステファニーの演技はずいぶん残念な感じだったが、かえってそれがお嬢様設定には合っていたような気がした。※満島ひかりが植え付けた"共感"の副産物かもしれない。

狭いアパートをゴージャス化しつつ、なおも空けられないダンボールが大量に積んであるところに、お嬢様育ちの悲哀を感じて思わず笑った。
完全に満島ひかり側に感情移入してしまったため、こちらには微塵も感情移入できなかったが、この子がいじめられると妙にワクワクし、とてもうれしい気分になったので、それはそれで映画としては成功しているような気がした。

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見ている途中からこの物語の終着点が全く読めなくなって、とてもワクワクした。
二人の反目や潰し合いをメインに持ってくる物語かと思ったのだが、それも捨てずに二人を共存させる事を選んだ物語の選択に、なるほどそういう道もあるのかと感心した。

もう一つこの映画で面白いと感じたことは、
数多く抱えていたのプライドを少しづつ捨てた結果、最後に史緒に残ったプライドと、
目的のために全てのプライドを捨て去った萌に再び形成されたプライドが、
同じものだったという事。

結局、二人は似た者同士。
道は違えども同じ世界でしか生きられないって事なんだろう。
スパッと切ったエンディングが、いつかまた交差するだろう二人の物語を予感させ、
ちょっとだけワクワクした。


≪追記するコーナー≫
ちょっと褒めすぎた感じがするので、この先は残念な部分を。
・序盤のオペラ歌唱がすぐに吹き替えとバレてしまう所
・甘々なポップソングを高級クラブのBGMとして自信満々で流している所
・クラブで歌う萌のバックに陳腐なCGを使った所
・イベントでミュージカルをやってしまう所
・渡辺大があまりにも渡辺謙にそっくりだという所
このあたりは、さすがにちょっとどうかなと思った。

しかし、見たかった女の戦いがちゃんと見られ、さらにその上を行くものが提示されたという、非常に稀な映画になったのもまた事実。
こういう晴れやかな気分で劇場を後に出来たのは久しぶりのような気がした。


≪一言コーナー≫
将来、田中麗奈クラスまで行きそうな満島ひかり。
吹き替えなしのオペラをちょっと聞いてみたかったステファニー。
どこからどう見ても男だった蘭ちゃん役の渡辺大。
誰かの物まねをしているようだった及川光博。
さりげなく名言を残した高島礼子。
よくこんな「ちいさい役」を引き受けたと感心の由紀さおり。
とてもナイスなキャストだったアニメ声役の黒川智花と秘書役の新山千春。


▼状況
MOVIX伊勢崎にてレイトショーで鑑賞
▼観客
10名弱(最終日鑑賞で殆ど女性客)

▼対象
原作読者、原作ファンの方に、満島ひかりのキャラクターについて聞きたいな
▼見所
満島ひかり
▼教訓
女が二股をかけるときは「どうでもいいか」「どうしようもないか」のどっちか。
これ「女」を「男」に置き換えたら高島礼子自身の教訓でもあるような気がして、思わず笑いがこみ上げた。
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by unknown0083 | 2009-01-30 21:05 | 映画

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