【映画】しゃべれども しゃべれども
2007年 05月 26日
■状況MOVIX伊勢崎にてレイトショウで観賞
■動機
香里奈(というか都古ちゃん)のファン誘われて
■感想
ほのぼのとするお話ですね
■あらすじ
古典を愛する「二つ目」の古今亭三つ葉(国分太一)の元に、ひょんなことから無愛想で口下手な美女・十河五月(香里奈)、勝気な為にクラスに馴染めない大阪から引っ越してきた少年・村林優(森永悠希)、毒舌でいかつい面相の元野球選手・湯河原太一(松重豊)の3人が集まり、話し方教室を始めることになる。
■コメント
実際には映画化が先で、話題が後からということになるので、こういう書かれ方は原作者としては不本意かもしれませんが、最近何かと話題の多い佐藤多佳子の「しゃべれども しゃべれども」の映画化です。
落語家の物語なので、落語がメインかと思いきや実はそうではなく、言葉に関するコンプレックスに悩む人間達がそれでも一生懸命に何とかしようと頑張るさまを描いた物語になっています。
主役の古今亭三つ葉は、生真面目さと余裕のなさがにじみ出ており、あまり落語には向いていないんじゃないかと思われる人物です。
一方、十河五月は、人付き合いが下手で無愛想、言葉使いもぶっきらぼうな、もったいない美人です。
この二人がスクリーンを主に占めるのでどうしてもギスギスしそうに感じますが、そうなっていないのは小ネタを交えながら軽いタッチで進むシナリオと実力ある競演者のおかげでしょう。
特に、物語に芯をいれて崩さず、なおかつほのぼのとした雰囲気を出しているのは、祖母役の八千草薫の手腕によるものです。多くスクリーンには現れませんがベテランの貫禄というのでしょうか、そういったものを見せ付けてくれます。
村林優役の森永悠希もたどたどしいながらも頑張っていました。
主演の国分太一を始め、落語を行うキャスト数名は落語の練習を相当してきたのだろうということは感じとれました。流石に本職ではないため違和感なくとまではいきませんでしたが、映画としては十分だったのではないかと思います。
ですが、見せ場のシーンのいくつかで国分太一の演技にいただけない部分があるのは、役者業が本職ではないからでは済ませづらいものがあります。
スクールでの師匠の態度と、退出した理由を問う三つ葉の態度とどちらが人を見下した態度なのかといえば、明らかに三つ葉の方だと思えてしまうところや、一門会を控え少し教室を休みにしたいと告げるシーンで十河に反論された事に対して言う「わかってるよ」の台詞が、到底わかっているとは思えない単に逃げ口上の「わかってるよ」に聞こえてしまっている所など、もう少し前後関係を考えていただきたかった部分はあります。
その他、松重豊のスイングはとても元野球選手に見えないとか、平手で殴ったのにグーで殴ったような痣があったりとか、占部房子がどうしても魅力的に見えなかったりとか、山本浩司のドレッドがなんだか似合っていて可笑しかったりとか、どうして湯河原太一の毒舌中継をやってくれなかったのとか、色々なツッコミどころはありますが、特に見ていてイライラするという事はないと思います。
下町の風情と人情に囲まれ、コンプレックスを持った人々が自分と向き合うことで、見ている我々にもほんの少しの勇気を分けてくれる。
そんなほのぼのとした空気が楽しめる映画でした。
≪追記するコーナー≫
本文中苦言の多くなってしまった国分太一。
本来彼は左利きですが、落語家は右利きだということでこの映画の中では右利きに変えています。役作りの為とはいえ、すごい努力だと思います。
短い撮影期間の中でよく頑張りました。
※私は右利きですが、とある事情で左手をメインでつかうことがあります。自転車と同じで一度慣れてしまえばすぐに使えますが、それまでは大変な作業です。
■対象
大作を敬遠しがちの人やツンデレ香里奈が見たい人
■見所
国分太一とツンデレ香里奈と急所とつく松重豊と関西弁少年の掛け合い、そして「私のがうまいわね」という八千草薫
by unknown0083 | 2007-05-26 21:35 | 映画


