【映画】キサラギ
2007年 07月 22日
■状況109シネマズ佐野にてレイトショウで観賞
■動機
シチュエーション映画というのを見てみたかった
■感想
圧巻。参りました。お奨めです。
■あらすじ
C級アイドル・如月ミキの1周忌に、彼女のファンサイトの常連、家元(小栗旬)、オダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、いちご娘(香川照之)の5人の男が追悼会に集まる。一同は彼女の思い出話で大いに盛り上がるはずだったが「彼女は殺された」という言葉を皮切りに思わぬ方向に事態は進む。
■コメント
圧巻です。非常に面白かったです。お奨めです。
実はこの映画、何度か予告編を見ましたがその時は全く興味が沸きませんでした。
それは主演の小栗旬と小出恵介があまり好きではなく、ユースケ・サンタマリアの演技力に疑問を感じ、塚地武雅のコントもさほど面白いと感じたことがなかったからです。
それがなぜ一転鑑賞に至ったかというと、
1.レアものだから
2.シーンチェンジがないらしいから
というごく単純な理由でした。恐らく偶然持ち帰った映画のパンフレットか何かを見て興味を持ったのだと思います。
この映画、物語の内容を少しでも書いてしまうと即ネタバレにつながる恐ろしい映画なので、なるべく内容には触れないように感想を書きたいと思います。
まず、シナリオにとにかく無駄がなくそして面白い。
見終わった後で気付くことですが、眼を離してもいいところは殆どありません。
家元が会場に入ったら、目に入るもの聞こえる台詞の殆どに意味があります。ちょっとした小ネタのためのものから物語の核心に迫るものまで、その重要性は様々ですが、そこにある事柄の殆どに意味があります。
それほどまでに練りに練られたシナリオに感服です。
物語は二転三転(五転六転・・・)しながらものすごい勢いで展開していくのですが、どういうわけか観客には一瞬先の展開が読めるようになっています。
これが"読めるからダメ"なのではなく"読めることが嬉しい"というなんとも不可思議なつくりで、次から次へと変わる状況を素直に楽しむことができます。
二転三転しながら話題の中心となる人物も次々と移り変わり、一つ一つ複線を解消しつつ、そして矛盾を消し去りながら、最終的に感動の事実に辿り着きます。
登場人物も風変わりなメンバーが揃っていますが、皆さんノリノリで演じておられるのがスクリーンからビシビシ伝わってきます。設定時に少し言葉が足りなければキャラがかぶりそうな家元とオダユージの明らかに違う演じ分けなど、役者の技能に感心させられるとともに、シナリオ段階での設定の細かさに感心しました。
小栗旬と小出恵介に関しましては、この映画で随分と印象が変わりました。二人とも名演技です。ユースケ・サンタマリアも生真面目な役がハマリただそれだけで驚かされました。塚地武雅もコミカルなシーンとシリアスなシーンの切り替えが非常にすばやくとても驚きました。
香川照之に関しては何も言うことはありません。相変わらず芸達者でいらっしゃるようで、どんな役でも見事にこなしていました。
この映画、明らかに何十億もかけた映画ではありません。全国展開もされておらず、近隣の映画館では上映している映画館は1/3くらい、しかも上映開始から1月近く遅れての上映です。
それでもこの映画は紛れもなく映画であり、名作だと思います。
細部までこだわった秀逸なシナリオ、それを最大限に生かした演出、ノリノリの出演者、これだけ揃えば面白くないわけがありません。
お金をかけなくても凄い映画は取れるということを、見事なまでに教えてくれました。
≪追記するコーナー≫
さて、実はこのシナリオの結末には大きな勘違いがひとつあります。
この映画、「それは違くないか?」ということは即座に誰かが矛盾点を指摘することによって、推理の穴が埋まっていきますが、その中で1点だけ見事にスルーされてしまった"ありえないこと"があるのです。
「ここまで綿密なシナリオを作ってそんな所を見逃すのか?」
と、5人が辿り着いた結末に感動しつつも小骨が刺さったような感覚に捉われておりましたところ、なんとエンドロール中にどんでん返しがありました。
もう、参りました。
それに気付いた人にはどんでん返しに、それに気付いてない人にはサプライズに見えるよう、巧妙に演出されたこの仕掛け。
脱帽です。正直、やられました。
≪さらに追記するコーナー≫
いちご娘の回想シーンによるあのCGにしても、現段階で物語の中心にいない人物のスクリーン端での細かな演技にしても、如月ミキの歌もファン側のダンスも合いの手も本当にC級にありそうな感じに仕上がっていることにしても、どうでもいいところにも不思議なこだわりを持って作品を作るスタンスが気に入りました。
■対象
間違いなくお奨め。
■見所
全編見どころ。見逃すことなかれ。
by unknown0083 | 2007-07-22 21:15 | 映画


