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【映画】アヒルと鴨のコインロッカー  

【映画】アヒルと鴨のコインロッカー_d0057574_2256871.jpg■状況
MOVIX伊勢崎にてサービスデー価格で観賞
■動機
黄色いポスターとキャッチコピーに惹かれて
■感想
面白かったというと御幣はあるが、良かった。

■あらすじ
大学入学のために仙台に引っ越してきた椎名(濱田岳)は、河崎と名乗る奇妙な隣人(瑛太)と知り合う。河崎は同じアパートにすむブータン人に広辞苑を贈る為に本屋襲撃を持ちかける。




■コメント
この映画の原作を書いたのが、現在人気急上昇中の作家・伊坂幸太郎。
既に何冊か文庫本化されているため、この映画の予習を兼ねて二ヶ月くらい前にこの映画の原作以外の本を何冊か読んで見た。
合わない。
決してつまらなくはない。
だが、面白さが感じられない。
複雑に組まれたロジックは確かに読むものの興味を引くものはある。
ただそれが実に簡単に読み解ける。
恐らくこれは私が相当なひねくれもので、複雑とわかった瞬間に"素直な視点"で読むことを捨て"読み解く"事を重視するからだろう。
なので、読み終わった後の感想は「ふーん」以外のものがなかった。
映像化作品も1本見てみたが「ダメじゃん」と思っただけで特に感想記載するまでもないと思い現在もまだ放置している。

という、徹底的に合わなそうな伊坂幸太郎原作小説の映像化作品。
二ヶ月も前から見たいと思っていながら、どうしても不安要素が払拭しきれない状態での観賞だったのだが、結果は観てよかったと思えるものだった。


この映画には"秘密"というか"仕掛け"というか大げさに言えば"嘘"というか、そういったものが随所に散りばめられている。
その中で、映画関係者がひた隠しにしている大きな"トリック"があるのだが、これは実にあっけなく読み解ける。
おそらく誰にでも。
だが、この映画はその嘘を真実に見せかけるだけの演出を行う。これが実に見事。恐らく原作で使われているであろう"文字でこそ可能"なトリックを見事に再現した上"文字"以上の説得力を持たせた演出に、ひねくれものの私も思わず騙されかけた。

このトリックを実行させる為には、俳優の力量が問われると思う。
騙す側と騙される側の力量。
さらに騙す側の俳優には、観客を完全に騙してしまわないだけの演技も求められる。
ここをちゃんと抑えないとこの映画は台無しになってしまうところだったのだが、メインキャストの見事な演技で乗り切っていたように思う。
特に瑛太。
いつの間に彼はあんなにスゴイ俳優になったのだろう。


この映画、読み解けてしまえば大したことのない物語だ。
物語のあらすじが数秒で言い切れてしまうほどに。
その物語を素晴らしい演出で見事な物語に見せている。※恐らく原作は構成で
伊坂幸太郎的ラストはあまり好きではないのだが、今回のこの映画については完全に感情移入していた為か非常にすんなりと受け入れられた。

とても悲しくそしてどこか優しいこの物語は、大きな感動こそはなかったが、なんとなくその場を離れがたい妙な気分が残った。
いい映画を観た。
とりあえず、そんな感じ。

≪追記するコーナー≫
この映画が非常にいい出来なのは、原作がいいからではなくて、脚本・演出・演技が良かったからだと思っている。
だが、伊坂幸太郎の小説も、切り捨てずにもう少し読んで見ようと思った。
そう思わせるほどのいい映画だった。

≪さらに追記するコーナー≫
基本的にちょっとでもネタバレしてしまうと楽しみ50%以上OFFな映画なので、書けない事だらけで非常に困った。
神様の話や仕掛けの部分など色々と書きたい部分はあったのに・・・

■対象
大人の人向けだと思う
■見所
序盤から数多く散りばめられた伏線をいくつ拾えるか

by unknown0083 | 2007-09-06 19:20 | 映画

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