【映画】椿三十郎
2007年 12月 01日
■状況イオンシネマ太田店にて映画の日価格で観賞
■動機
とりあえず観ておこうかと
■感想
うん、正直面白かった。
■あらすじ
とある社殿の中で井坂伊織(松山ケンイチ)をはじめ、9人の若侍たちが上役である次席家老黒藤(小林稔侍)らの汚職について密談していると、椿三十郎(織田裕二)という浪人が現れる。密談を盗み聞きしていた三十郎は陰謀の黒幕を見抜き、室戸半兵衛(豊川悦司)率いる悪者の手先から若侍たちを逃がす。
■コメント
なんとなく、この映画を面白がってはいけない気はしているのだが、面白かったものは仕方ない。なので、正直に面白かったと書く。
"当然"などと偉そうにはいえないが、オリジナル版は観ていない。
だが、観る前や予告編の段階において「椿三十郎」を織田裕二がやるというということに非常に抵抗があったことは確かで、どうにもまともな映画にはならないだろうと言う不安の様なものを感じていた。
唯一安心する部分として、脚本はオリジナルのものを使用したという部分が上げられるが、脚本はそのままでも演出で壊された作品も多々あるということを知ってしまっているので、それでも万全・磐石と言い切れない不安を抱えての観賞で、つまらなかったら笑い飛ばすくらいのつもりでいた。
が、案ずるより観るが易し?
不安などどこ吹く風。
非常に面白い映画に出来上がっていた。

まず、織田裕二が凄い。カッコイイ。
口は悪いが思いやりがあり、抜き身の強さと内に秘めたる強さとを見せ、時において不器用な優しさを感じさせるところに、実にハマリ役だと感じ、何の問題なく受け入れることができた。
しかめっ面斜め上を見る織田裕二得意のこの演技も、時代劇であるにも関わらず何故か妙にピタッときていて、とても驚いた。
次に台詞回しのセンスがいい。
これはオリジナル版の脚本になると思うのだが、なんというか今聞いても古くない、というかセンスがいい。キャラクター同士の会話を聞いているだけで妙にワクワクして、次の展開が気になってしまう。そしてついつい映画に引き込まれる。

若い侍達も、正直とてもおばかさんなのだが、なかなかいい。
通常、物語や主人公の足を引っ張るキャストやキャラクターには感情移入しずらいものだが、なぜかこの映画では、そちら側も愛すべき人物達としてキャラクターが立っている。もちろん全員とは言わないのだが、こちら側もしっかりしているおかげで、映画全体が楽しくなっているように思う。
敵役の豊川悦司も随分と格好良く、色々と翻弄されながらも三枚目にならないレベルをキープしつつ、敵役として人間として、非常に魅力ある人物に見えたことも良かった。

音楽に関しては、中途半端に現代風アレンジにせずに、時代劇風に仕上げてきたのが好感だった。初っ端の太鼓の音色で既にワクワクしていたことは内緒にしておくが。※エレキベースの音くらいは大目に見よう(汗)
最後の殺陣はオリジナル版のものだろうか?それとも現代版のものだろうか?
中盤の殺陣を伏線にした、とても印象深いものだった。
ラストの「お前等は鞘に入ってろ」という台詞、これは椿三十郎から若侍達に向けた激励であると共に、織田裕二から若き役者達に向けたエールのようにも聞こえて、何故か清々しい気持ちになった。
リメイクというかコピー版がこれだけ面白いとなると、当然興味はオリジナル版にも向く。
こちらは「世界のクロサワ」と言われた黒澤明がメガホンを取り、「世界のミフネ」と呼ばれた三船敏郎が椿三十郎を演じている。
絶対に、オリジナル版の方が面白いはずだ。
そういえば、親戚の伯父が黒澤明LDボックスなるものを持っていたはずだと言うことを思い出し、後で年始挨拶のあたりでLDハードごと貸してもらえないか交渉してみよう、などと思ってみたりする。
■対象
リメイク、現代版という響きに抵抗がない人向け
■見所
ふすま侍の登場と退場、侍女のガッツポーズ
by unknown0083 | 2007-12-01 21:10 | 映画


