【映画】銀色のシーズン  

d0057574_0501878.jpg■動機
フジテレビの関わったモーグル映画だから
■感想
里谷多英を擁していながら何故・・・
■満足度
★★☆☆☆☆☆ いまいち

■あらすじ
寂れた町営スキー場でやりたい放題の日々を過ごしている城山銀(瑛太)、小鳩祐治(玉山鉄二)、神沼次郎(青木崇高)の3人組は、賭けスキーやスキーの当たり屋などをして周囲の人々に迷惑ばかりかけていた。そんなある日、彼らの前にスキーがまったくできないという綾瀬七海(田中麗奈)が現れる。




■コメント
フリースタイルスキーの長野オリンピック金メダリスト、そしてソルトレイクシティオリンピック銅メダリストである里谷多英を擁するフジテレビの作ったモーグル映画ということで、どう考えてもハズレはないだろう、というか絶対に見ないと損だろうと思い鑑賞をしたのだが・・・
結果は惨敗。
なぜこんなことにというくらい見るも無残な結末だった。

何事もやりすぎはよくない。
主人公たちの破天荒振りをアピールしようと思ったらしいオープニングで、完全にコケているのが相当痛々しかった。
と、同時にこのスタッフの中にウィンタースポーツをする人間が一人もいないんだと言うことがハッキリと分かり、じゃあなんでこんな映画を企画して撮影までしたのかと、疑問に思った。

そもそもゲレンデに上空から紙を撒くなど言語道断。
死亡事故が起こりかねないということを分かってやっているのだろうか?
その後のシーンで温泉に落ちたビラを佐藤江梨子がめんどくさそうに拾うシーンでフォローしたつもりなら全然足りない。とんでもない思い違いだ。

黄色男が水の上を走るのは自力で脱出すれば自己責任だからいいとして、茶色男が手摺りや屋根を滑るのはハッキリ言って迷惑以外の何者でもないしカッコイイとも思わない。
通常、現地の人は(黄色と茶色は現地ではないが)一般客に迷惑にならないような配慮を常にしている。そういった部分を踏まえて、彼らの行為は最低だ。

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また、アルペンのビニールごとスキーを抱えてくる田中麗奈は初心者としてのリアリティがあるのだが(宅急便で送れるという発想は初心者にはない為)如何せん荷物が少なすぎ。あのスーツケースにはブーツは入りそうにないので、板だけ持ってきてブーツを持ってこないという単なるお間抜けさんにしか見えない。
佐藤江梨子に関しても「これが楽しみで仕事してる」という余計な一言のために、現地の人なのか住み込みバイトの人なのか全く分からなくなってしまった。

とまあ、開始早々のキャラクター紹介の段階で、まじめに作る気のサラサラない映画だと言うことが露呈される。
これではいくらウィンタースポーツ好きでものめりこみようもない。
というか、好きなら好きな分だけ、のめりこめないのかもしれない。

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物語は、見せ場重視で作られているらしく大分いい加減な印象。
田中麗奈が雪山を訪れた動機を考えれば、スキーの練習など全く必要なく、単に瑛太とのツーショットを撮りたくてやってるだけのように見える。
その練習シーンに関してもプルークの基本である「ハの字」「内股」「両手を前」など全然教えず、ひたすら「遠くを見ろ」だけで延々怒鳴り続けると言う無茶苦茶さ。3日間引っ張って金を巻き上げたいのは分かるが、そんなどうしようもない教え方で誰がついてくるか。
というか、劇中ずっとボーゲンといっていたがあれはプルークだろう。本当に分かってない。

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玉山鉄二も賭けレースでカッコイイところを見せる以外にその存在意義はなし。というかこの賭けレース自体が、物語上なんの意味を持たないただのテンション維持のためだけのものだったりするのも意味不明。撮り方が悪いのかあんまりスピード感もなかったし。
また、別のキャラクターとの絡みがあるように見せてなんの意味もないのだから、そんなエピソード端折っちゃっていい疑惑。
青木崇高など単にテンションをキープするだけのにぎやかしにしか過ぎず本当に気の毒。

遭難のシーンは完全に雪山をなめているとしか思えない。
上空は吹雪いているのに下は全然風なしだったり、吹雪いているのにパラグライダー飛ばしたり、そもそも白いコートの人間が荒れ模様の中で見つかるか。
キャラの見せ場だけ作ればいいというものではない。

最後に行われるモーグル大会についてもあんなにショーアップする必要はないだろう。競技大会なのだから競技大会らしく普通にやってくれればいい。あのノリではただのショーだ。
また特殊カメラを使って撮影した風ではあるが、残念ながら大事な場面が映っていないのは大変がっかり。一番見たいのは"どう飛んで""どう回ったか"ではなく"どう転んだ"かなのに、そこを映さずに転んだ結果だけ出されても面白くもなんともない。
板が外れるのはスキー板の仕組みであって、一見派手に見えるが実は大した事じゃない。そんな事すらこの映画の撮影スタッフは知らないんじゃないか?と勘ぐりたくもなる。

とまあ、こんな感じで、見所重視で内容の希薄な物語、限度を知らないオーバーな演出、傍若無人な登場人物には感情移入のしようもなくと、殆ど良い所のない映画で、見所と言えば田中麗奈の入浴シーンと浴衣姿および瑛太が浴槽に腰掛けている際どいシーンくらいのものという有様だったりするのだが、ただ1点だけ激しく共感できる部分があった。

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それは佐藤江梨子の語る、
「子供に期待を押し付けて祭り上げて~」の部分。
恐らくはモデルはスノーボードの五輪代表だった時に時代の寵児に祭り上げられた成田童夢や今井メロの事を暗喩しているのだろうが、この部分に関しては「マスコミの連中等が言うことかよ」と思いながらも激しく共感を覚えた。
いまだに石川やら浅田やらと祭り上げているマスコミに薄気味悪さを感じている者としては、やはりそう言ってくれた事はちょっとうれしかったりする。

意外と早くにそのシーンがあったおかげで、何とか最後まで観る事が出来たと言っても過言ではない。
まあ、最後にとってつけたような大団円で激しくがっかりした上、スタッフロール中NGシーン集が流れるという追い討ちのせいで、このスタッフ達の程度が知れてしまいこんな感想になってはいるが。

最後に國村隼がいう「スノボ」なる台詞について。
旅館の人間であれば随分と古くからスノーボードに触れているはずで、その場合スノーボードの事は「スノーボード」か「ボード」と呼ぶはずであり、「スノボ」まずとは呼ばない。
「スノボ」は近年ファッション的にスノーボードを始めたあんまりマナーのなっていない人達を揶揄して使われることのある言葉。
いわゆる「お宅族」と呼ばれ始めたころの「お宅」という言葉と似ている。
もっとも、その瞬間に佐藤江梨子が
「スノボっていうなっ!」
っと突っ込みを入れたら振りとしては完璧だったのだが・・・。

≪疑問なコーナー≫
映画の年代が明らかになっていない(ような気がする)ので一応物語の年代は公開時のリアルタイムと同じ2008年だと仮定するが、ここから5年前の2003年の段階では後方フリップは禁止エアだったはずだ。こういう部分ももうめちゃくちゃ。
とはいえ、確証がないので追記コーナーでのぼやきとした。
※失敗エアの方は解禁されている

≪追記するコーナー≫
女性用というイメージのある水色のウェアをあんなにかっこよく着こなせる瑛太はやはり只者ではない・・・

■状況
イオンシネマ太田店にてレイトショウで観賞
■対象
ウィンタースポーツをやった事のない人や興味のない人、ウィンタースポーツを見ない人
■見所
濡れないコート、湿らない手袋、雪のつかないマフラーなど、田中麗奈の強烈な女優オーラに守られたステキな衣装が見どころ。
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by unknown0083 | 2008-01-14 21:10 | 映画

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