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【DVD】赤い文化住宅の初子  

【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_228359.jpg■動機
「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」を観て
■感想
結構良い感じの青春映画だと思った
■満足度
★★★★★★☆ いいかも

■あらすじ
母に先立たれ、父も小さい頃に蒸発してしまい、兄と2人で文化住宅に暮らす15歳の少女、初子(東亜優)は、高校を中退した兄(塩谷瞬)と二人で暮らしていた。彼女は同級生の三島君(佐野和真)と一緒に東高を受験する約束をし、勉強まで教えてもらうのだが、彼女の家には高校に進学するお金はない。アルバイトの帰り道でも彼女は日々、そのことが気にかかりついカネ・カネ・カネと呟いてしまう。




■コメント
「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」という映画のメインキャスト4名の中で唯一知らなかった女優が本作の主演女優・東亜優。
他になにか出演する事があったら観ておこうかと思っていたら、いきなり主演できてびっくり。
という訳で、チェックはしていたが行動範囲内での上映がなかったのでDVD化を待っての観賞。待った甲斐あっただけのことはある良い映画だった。

貧乏で不幸な兄弟のどん底人生を描いた物語なのだが、不思議と暗い話ではなかった。
かといって不幸を明るく笑い飛ばすような話でもなければ、希望の光が差し込むような一発逆転ものの映画でもない。
実に淡々と、それでいてしっかりと、時間の流れを描いた映画だった。
こういう路線の映画は個人的に好きなので、結構楽しく見る事ができた。

【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_2293581.jpg
貧しさのどん底ではあるが、あまり悲壮感を感じないのは初子の性格によるものだろう。
どんくさく、おっとりとしており、多少の妄想癖があり、そして何よりも他人を羨まない。
勉強はそこそこできるのだろうが、あまりおつむがよろしそうじゃないのも魅力か。
もしこれで、キビキビカリカリしていたり、後ろ向きにウジウジしていたり、裕福な他人を羨んだりしていたら台無しだったろう。とにかく、この初子が愛すべきキャラクターになっているので、応援するもよし見守るもよしの映画になっていると思う。

こんなややこしいキャラクターを東亜優が好演。
本当はもっと美人なはずなのに、地味な中学生に見事に化けている。

基本的に眺めて楽しんでしまったのであまり感想に書く事がない。
しかし、眺めているだけで十分楽しめる。
こういう映画を楽しんではいけないような気もするが、楽しんでしまったのは仕方ない。
なのでキャストを中心に印象的だったシーンをいくつか。
※良い画像も見つかったし、折角なので使おうかと・・・

【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_2295672.jpg兄役の塩谷瞬が随分と良い味を出していた。
宇野家はもともと普通の家庭だったのだろう。何らかの事情で転落したのではないかということが、兄のスレっぷりを見ていると良くわかる。
いきなり恨み言で始まった時はどんなヤツかと思ったが、なんのかんので妹思いなところもあり、結構人間臭いヤツだった。
【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_22101086.jpg壊れた担任教師役の坂井真紀。
そのぶっとび具合にニヤニヤしてしまう。特に初子に対して辛くあたっている訳ではなく、誰に対しても分け隔てなくやる気がない、というのがポイントか。
ここまでやる気がないとそれはそれでギャグになるんだなと感心。
坂井真紀もなんだか楽しそうだった。
【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_22102413.jpgどうにもこうにも怪しげな女役の浅田美代子。
本当に怪しくて傑作だった。
「おやっ?」と思った瞬間には引きずり込まれる恐ろしさの様なものを感じた。
この物語は主演の東亜優はもとより、脇を固める俳優達も良い味を出していた。
坂井真紀の上司が思わずもらした大人の本音や、蒸発した父親役の大杉漣が本当にホームレスにしか見えないところなど、細かなところまで気が配られているようだった。

【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_22105087.jpg
幼き日に母親と遊んだあやとりのシーンが美しかった。
母親の愛情をちゃんと受けて育った兄妹だということが分かる良いエピソードだった。
ただのあやとりに色々なメッセージが込めてあってちょっと感動した。
その他、お小遣いの分配に悩むシーンと、ネオン街から戻った初子が「こっちの明かりの方がいい」とつぶやいたシーンと、友人達の同情心が大きなバリケードとして再現された瞬間妄想のシーンが、妙に心に残った。

【DVD】赤い文化住宅の初子_d0057574_2211499.jpg初子を陰から表から支えてくれていた三島役の佐野和真。初子に抱いているのが恋心なのか、友情なのか、責任感なのか、それは良くわからなかったが、同級生の中では唯一味方であった人物だという事は良く伝わった。
ちょっとだけ希望の見えるラストシーンのあと、二人はもう合う事はないんだろうなっと感じさせる、ちょっとした切なさの様なものの残し方がうまく心地よかった。

この映画は「絶対観るべき」「もっと広めるべき」という類の映画ではない、とも思う。
恐らく人によって好き嫌いがはっきりと出る映画になっていることは確か。
ところで、この映画には原作となった漫画があるという。
原作既読者はこの映画をどう観るのだろうか?
原作の雰囲気もこのまんまな雰囲気ならいいなっと、ちょっとだけ思った。

≪追記するコーナー≫
初子の雰囲気に引っ張られたのか、なんだか文章もおとぼけな感じになってしまった。
ま、たまにはいいか・・・

■状況
レンタルDVDにて
■対象
ゆるりとした映画が好きな人、ダウン系でも大丈夫な人、自分より不幸な人を見たい人などなど
■見所
あやとりのシーン、分配のシーン・・・って本文中に書いちゃったわ

by unknown0083 | 2008-02-06 22:20 | 映画

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