【DVD】紀子の食卓
2008年 03月 27日
■動機なんだったけか
■感想
濃厚な世界感だ・・・
■満足度
★★★★★★☆ いいかも
■あらすじ
家族との関係や自身の現状に違和感を感じていた女子高生・紀子(吹石一恵)は、あるサイトにのめり込み東京へ家出する。サイトの主宰者(つぐみ)と出会った彼女はミツコと名乗り、レンタル家族の一員となる。そのころ起きた女子高生の集団とびこみに紀子の手がかりを見出した妹・ユカ(吉高由里子)も家出。その後、母も自ら死を選び、残された父親は(光石研)娘たちの消息を追う。
■コメント
掴みどころのない映画。
ある程度、見方を示唆してもらわないとどうとでも見えてしまう。
むしろ、それが狙いなのかもしれないのだが・・・。

物語はいくつかに章分けされ、その中の主人公の膨大なモノローグで進む。
それぞれの人物の独白のように延々と垂れ流されるモノローグは、登場人物が現在の心情を吐露したものになっているのだが、実際に何があったかやその時どうしようとしたなどの部分は良く判るのだが、聞いても聞いても一体何を考えているのかは分からない。
というか理解できない。
誰も彼もも常軌を逸しており、それがこの映画の魅力でもあると思う。
自分という殻から逃げ出したい紀子、
妹という役割を巧妙に演じるユカ、
娘との接点が世界の全てだった父、
コインロッカーで生まれ自らの手で過去を作り出すクミコ。
登場人物は全て何処か病んでいる。
その少し壊れた人達が一体どういった末路を辿るか。
それを冷静に観賞する映画、という風に見た。

あらすじだけ読めば、家族崩壊から再生までのドラマのように見える。
だが、全然そんな路線では進まない。
限りなくサイケデリックに、人の心の闇の中を手探りで徘徊し、少しづつ光を当てていくような、そんな雰囲気。
上映時間(DVDで見ているが)も159分と結構長めなのだが、ついついその先のシーンが気になって止められない。個人的に好きな感じというのも差し引いて、構成が見事なのかも知れない。
この映画をどこで知ったのかすっかり忘れてしまったが、恐らく園子温という監督に興味を持ったような気がする。吹石一恵見たさにレンタルしてきたとはちょっと思えない。
が、その吹石一恵がいつの間にか立派な女優になっていた。
正直だいぶ侮っていた。
ユカ役の吉高由里子もなかなかだった。演技初挑戦とは思えなかった。美人だしまたどこかで見るだろうと思う。
クミコ役のつぐみはとてもおっかなかった。この映画を取り巻くなんとも不気味な雰囲気を醸し出すような演技に、ものの見事に惹き込まれた。
父親役の光石研が一番まともに見える変人だった。
ラストの解釈は難しい。どこまでが現実なのかよくわからない。
彼女達は救われたのだろうかと問われれば、救われたのではないかと答えるのだが、本当の意味で救われたことになるのかどうかは分からない。
だがユカの清々しいラストシーンに、わざわざケチをつけなくてもいいかなっと思ってみたりもする。
■状況
レンタルDVDにて
■対象
ちょっとアンダーグラウンドな雰囲気が好きな人向き
■見所
吉高由里子、「バラが咲いた」
by unknown0083 | 2008-03-27 23:11 | 映画


