【DVD】猟奇的な彼女
2008年 04月 14日
ドラマ化されるということで
■感想
まさか恋愛もので感動するとは思わなかった
■満足度
★★★★★★★ まんぞく
■あらすじ
大学生のキョヌは夜の地下鉄ホームで美しい“彼女”と出会う。でもその時“彼女”は泥酔状態。酔っぱらい女は嫌いだったが、車中で倒れている“彼女”を放っておけず仕方なく介抱してホテルへ運ぶ。ところがそこに警官がやってきてキョヌは留置場で一晩を過ごすハメに。翌朝、昨夜の記憶のない“彼女”は怒ってキョヌを電話で呼び出した上、詰問するのだった。
■コメント
「他人の恋愛模様なんかみたってなぁ・・・」
っというのが、私の恋愛映画に対するスタンスで、
別にそれがいいとか悪いとかということではなく、
苦手なジャンルのひとつであることは間違いない。
過去の鑑賞録を遡ってみても、
いわゆるラブロマンスというジャンルの映画を見た記憶は、
「ローマの休日」と「めぐり逢い」の
2本くらいしか思い出せない。
今回見た「猟奇的な彼女」という映画は、
日本でヒットした韓国映画の代名詞的に使われる映画で、
そういう映画を避けて通るような人間でも、
そのタイトルくらいは知っているという有名作だと思う。
タイトルからしてベタな恋愛ものだと推測されるこの映画を、
なんでいまさらわざわざ観てみようかと思ったのかと言えば、
TBS系列のドラマ化されるという事を知ったからで、
従来のファンの方から怒号の如く非難を受けそうな、
そんな理由からだった。
映画の感想はと言うと、
暴力女と気弱男の恋愛をただだらだらと2時間もやるはずはなく、
男女どちらかに絶対に何かがあるのは目に見えており、
「きっとこうなんじゃなかろうか?」という予想をしていたのだが、
それが全くその通りだったので、そういう意味では拍子抜けした。
しかし、この映画を最後まで飽きることなく見られたのは、
物語を一体どういう風に収束させるのかが全く読めなかったからで、
個人的には全く予想外のエンディングを迎えたところに、
見てよかったと言う満足感を得られたと思っている。
劇中、ほぼ出ずっぱりとなる二人の韓国人俳優、
特に彼女役のチョン・ジヒョンが素晴らしく、
無茶苦茶なことを言っていても、なんとなく許してしまいたくなるような、
そんな雰囲気がまさに適役だったように思う。
※※それを受け止めるキョヌ役のチャ・テヒョンもまた良かったのだろうとも思う
そんな二人の熱演に圧されてのことなのかはわからないが、
通常、二人の恋愛模様が加熱するほど、私の中では冷めていく感情が、
どういうわけかこの映画ではそんなことはなく、
むしろ二人を応援してやりたい気持ちになっていたのが、個人的にとても不思議で、
案外、こういうのも悪くないなと、ちょっとだけ思った。
恋愛ものがキライな人間でさえ楽しめたという事は、
よっぽど出来のいい映画か、
普通の恋愛ものとは随分とかけ離れた映画か、
そのどちらかという事になるのだが、
もしかしたら、
「一風変わったとても出来のいい映画」
なんではなかろうかと、
そんな風に思ってみた。
※チョン・ジヒョン作品をもう一本くらい観てみたいとも思った。
≪追記するコーナー≫
劇中劇は監督の趣味なのかどうか、そこが良くわからなかった。
時代劇タッチのものは韓国の歴史を知らないため、ちょっとわかりづらかったが、
夕立についてはちょっと興味があるので、後でいろいろ聞いてみようと思った。
※夕立の新しい結末に、膝をたたいて笑ったのは内緒。
≪ドラマ版に関する期待やあれこれのコーナー≫
劇中、ところどころ仕掛けられたミスリードが、
とてもいい感じに機能した映画だと思っているのだが、
これは映画という時間の中でだったからこそ有効な複線だったりするので、
このあたりを一体どうしたのかと、ドラマ版が気になっている。
彼女の抱えた問題点を二十歳そこそこの日本人女性が抱えることは多くはないので、
主人公の年齢層を若干上げてみたというその試みはとても良いと思う。
そういう意味では草彅剛と田中麗奈という組み合わせは最良の選択で、
ドラマ版に対する期待は非常に高まっていたりする。
ただしTBS系列だからと言って「夕立」の代わりに「世界の中心で~」を使ったら、
その日のブログは文句で埋め尽くされること間違いなし。
≪妄想するコーナー≫
とは言ってみたものの、
多部未華子か榮倉奈々ならば、
この彼女の役をうまくこなすんじゃないかと、
そんな予感がしている。
なお、その場合の彼役には濱田岳が適任かなっと思っている。
■状況
弟のライブラリから拝借
■対象
恋愛ものが好きな人、恋愛ものが嫌いな人
■見所
感動のシーンでも必ずアラを探す彼女、山、木、終わりそうで終わらない物語
by unknown0083 | 2008-04-14 21:14 | 映画