【DVD】ゴーヤーちゃんぷるー
2008年 05月 09日
唯一の未DVD化作品、ついにDVD化
■感想
満足!
■満足度
★★★★★★★ まんぞく
■あらすじ
学校でいじめにあっているひろみ(多部未華子)は、心を閉ざしてしまい自分の部屋に引きこもるようになる。幼いときに父を亡くし、母も家を出てしまっていることから、祖父母と3人暮らしをしており、話し相手はネット上で知り合ったメル友のケンムン(武田航平)だけ。偶然にもケンムンの住む場所と、家出した母がいる場所が同じだと知ったひろみは、2人に会うため西表島へと旅立つ。
■コメント
沖縄と言う土地は、
内陸部に住むものにとって憧れの地でもあり、
海と、空と、森と、川と、
どれをとっても心惹かれるものがある。
そんな風土に暮らす沖縄の人たちは、
大らかでゆったりしていると、
そんな勝手なイメージを持ってしまっているのだが、
それがあながち間違いじゃないと言うことを、
以前一緒に仕事をさせていただいた、沖縄の女性を見て感じた。
今回見た「ゴーヤーちゃんぷるー」という映画は、
人間関係に疲れきってしまった東京の中学校に通う少女が、
引きこもりの最中にネットで知り合った沖縄の青年に会いに行く物語で、
そこで人生の何たるかを学び、成長していく物語だった。
沖縄の風土や人の温かさがとてもやさしく、
人間の抱える悩みや痛みなどを受け入れてくれるような、
そんな映画自体の雰囲気につい惹きこまれ、
2時間という長い時間を気持ちよく過ごさせてもらった。
時期的に映画初主演となる多部未華子が演じるのは、
周りのどこにも頼る場所のない孤独を抱えた少女で、
自分がいじめられている事よりも、
友人を裏切ってしまった事に心を痛めるような繊細な心を持つ少女だった。
多部未華子がそういう役に慣れているとは思えないが、
そこには正に、そういった繊細な少女の姿が移し出されており、
なんというか、その持ち前の眼力と、影を帯びたその雰囲気に、
つい惹きこまれてしまった、っというところ。
※どういう訳か家族構成に恵まれない役が多いのは気のせい?
母親役の風吹ジュンもまた好演で、
「あー、わかってるんだな」っということが感じ取れ、
そこの微妙な感情のゆれ具合が、
見ていてなんとなく心地よかった。
その他、世話焼きのサヨさんや、
沖縄の少年ケンムンや、
末期がん患者や島の医師などが、
物語に彩りを添えていた。
映画そのものにツッコミどころがないわけではなく、
特に旅行費を一体どうやって捻出したのかに疑問が残るのだが、
多分祖父母からコッソリ借りてきたんだろう思うことで、
一応の解決をしてみたりした。
基本的には人間再生ドラマであり、
一度は凍らせた心が徐々に氷解していく様こそが見どころなので、
ここが面白かったとか、ここが感動したとか、
そんな風に一部を切り取っちゃいけないような、
そんな気がする映画だと感じた。
≪追記するコーナー≫
「自分ではもう食べられないから、代わりに食べてあげるべきだった」
の部分にちょっとだけはっとした。
そうか、そういうことだったのかと、大分驚いた。
まだまだ修行が足りない・・・
≪蛇足するコーナー≫
多部未華子の出演作品の中では唯一、長い間DVD化されなかった映画で、
彼女のいちファンとして、どんな映画なのかと気になった私は、
色々な人のレビューや感想文を読んで回っていたのだが、
映画そのものの出来栄えには賛否両論あるものの、
多部未華子に関しては絶賛している人が圧倒的だった、という事に驚いた。
DVDが発売されると決まったとき、
どういう訳か「レンタルで」という発想がまるでなく、
即日注文をしていたというあたりから、
この映画に対する期待度が相当高かったことが伺え、
それは全く裏切られる事はなかった。
■状況
所持品にて観賞
■対象
人間再生ドラマの好きな人、沖縄の好きな人、多部未華子のファンの人、など
■見所
多部未華子、風吹ジュン
by unknown0083 | 2008-05-09 23:45 | 映画