【映画】デトロイト・メタル・シティ
2008年 09月 05日
すっごい面白そうだったから
■感想
メチャメチャ面白かった!
■満足度
★★★★★★★ まんぞく
■あらすじ
純朴な青年、根岸崇一(松山ケンイチ)は、ポップミュージシャンを目指して大分県から上京する。だがひょんなことから人気悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター&ボーカルとして活動することになる。彼らのデビューシングルは大ヒットを記録し、崇一は自分の意思とは関係なくカリスマ悪魔歌手に祭り上げられていく。
■コメント
とても期待していた映画なので公開日のレイトショウで観に行ったのだが1時間前でほぼ満席という状態だった。
この映画はそれ以外の回もすべて満席になっており、どう考えてもマニア向けのこの映画がたとえ100強の収容スペースしかないにせよ満席になるとは想像が付かず、これはきっと熱狂的な「DMC信者」達が繰り返し何度も見ているか、もしくは熱狂的な「DMC信者」達が映画館巡礼しているかどちらかだろうと考え、いずれにしても館内はバリバリのヘビメタメイクの人間達に占拠されていると思い、そんななか普通の格好した人間が入って行くのは虎の檻のウサギちゃんみたいなもので、これは後日空いている日に行くべきだと考えて日をずらした経緯がある。
※あるいは舞台挨拶でもあったのかと・・・
さて、そんな訳で日をずらした鑑賞になったわけだが、今回も約1時間前の段階で自由な座席指定は不可能なほど埋まっていたのに驚いた。学習能力のない私は今回も普通の服装で来ており(ヘビメタなファッションなど持ってはいないが・・・)一瞬どうしたものかと思ったのだが、前のほうが割かし空いているという事だったので前のほうで鑑賞することにした。
開始時間まで時間を潰し、ヘビメタな人々の視線を避ける為に少しゆっくりめにシアターに入ったのだが、そこで見たものは殆ど女性客で占められたシアターだった。これは入るシアターを間違えたなと思い、とりあえず空いていた自分の席に荷物を置き、こっそり席を外す振りをしてもう一度シアター番号を確かめたのだが、そこには確かに「シアター9『デトロイト・メタル・シティ』」と書いてあってとても驚いた。
その後も次々と入場してくるのは女性客ばかりで、女性2人組、女性5人組など、複数形の女性グループが大多数で、ソロで来ている人はごく少々(私はココ)、男性の複数グループは皆無、カップル比率は全体の約1割程度という、とんでもない館内状態だった。
自分の想像とは全く異なる館内の状態に、思わず
「メタルってこんなに人が入るんだ・・・」
と、上映開始前に心の中でつぶやいていた。
映画はビックリするほど面白かった。
もう、終始笑わせてもらった。
「コメディ映画」の面白さというよりは、「ギャグ漫画」的な面白さで、そのノリと勢いなどがとても素晴らしかった。もう終始笑わせてもらった。漫画をアニメにしただけで失われてしまうノリと勢いとテンションの高さを、よく実写映画で残せた(もしくは映画的な手法を見出した)もんだ。もうスゴ過ぎ、面白すぎ。
主な笑いどころは現実と理想の間で苦悩する「クラウザーさん」こと「根岸」のそのリアクションや、どんな事でもひたすらに「クラウザーさん」の事を信じ肯定する「DMC信者」達の解釈のひとつひとつや、社長のブッ飛んだ行動なんかになるんだけれど、自分が一番笑ったのは「恨みはらさでおくべきか」誕生のエピソード。あれなんか完全にネガティブ思考のことを解ってやってるところが見えて、自分もそういう部分があったりするので「そうそう、そうなんだよ。分かってるじゃん根岸!」っと、いつの間にか社長目線になってはいたが、もう本当に笑わせてもらった。
また、ちょっと離れた目線で映画を思い返すと、この映画の主役は「クラウザーさん」だけでなく「DMC信者」もまた主役なんじゃないかと思える部分があったように思う。確かに「クラウザーさん」あっての「DMC信者」だが、彼らあっての「クラウザーさん」でもあるような、そんな感じを至るところで感じた。
とはいえ、気になる点が全く無かったわけではない。
あれは全然デスメタルじゃないだろうとか、
ヒーローショー際の台詞こそ「小僧ぉ!SATSUGAIされるぞ!」が相応しいだろうとか、
マーティ・フリードマンが見つけられなかったとか、
なんで佐治の曲はオシャレで根岸の曲がダメなのかイマイチわからなかったとか、
加藤ローサにあのパンツはないだろうとか、
ちょっと残念だなっと思うことろはチラホラ見受けられる。
しかし、そういう部分すら些細な事だと吹き飛ばすパワーとテンションを持った映画なので、気にせずに楽しんじゃうのがきっといい。
※何しろ本当のデスメタルじゃあがるテンションも上がんない。
基本的にラストまでそれほど湿っぽくならずに突き進む映画なのだが、上記画像のシーンだけは妙に切なくなった。自分の夢に一直線に向う佐治と、自分の理想とは違う方向で成功を収めつつある根岸。二人のセッション(?)の後に「俺は悪魔だ。深入りすんな」と根岸でも「クラウザーさん」でもない声で答えた根岸の姿に思わず涙がでそうになった。たぶんそんなの私くらいなだと思うが・・・。
この映画を支えた役者は松山ケンイチと松雪泰子と大倉孝二の3人だろう。
この3人のテンションの高さが映画のテンションを最後まで支えていた。
というか、大倉孝二はあーいう役が出来るにしても、松山ケンイチと松雪泰子があんなにブッ壊れた役がハマるとは・・・。もう普通の役を見ても何とも思わなくなってしまうかもしれない・・・。
「クラウザーさん」の声はどこからが別人の声なのかと思っていたら歌声以外は松山ケンイチの声らしいと知ってなおビックリ。
松山ケンイチは何でもできる俳優になりつつあるのかも知れない。
さて、映画の感想の本文は基本的に敬称略で書いてきたのだが、「クラウザーさん」役の松山ケンイチも「クラウザーさん」と呼んでいたというのもあるし、何となく「クラウザーさん」は「クラウザーさん」と書いておくのが良いような気がしたので「クラウザーさん」と書いた。
呼び捨てにしたら「DMC信者」に「SATSUGAIされる」かもしれないしw
≪追記するコーナー≫
同年代の女優と共演する松山ケンイチを初めてみた。
しかし加藤ローサは相変わらずイマイチな演技・・・もうちょいがんばれ!
博多のバンドはボーカル以外は本物?
DMC信者の巨乳ちゃん、どこかで見覚えが・・・
妹がムダに美人過ぎw
結構可哀想な使われ方をするのが分かった上で曲を提供したカジヒデキの男気に天晴れ。
ジーン・シモンズよりマーティ・フリードマンの方がいいんじゃないかと思ったのだが、ジーン・シモンズで正解だった。そしてマーティ・フリードマンもどこかに出ていたらしい・・・。次にみる時は必ず見つけると誓う。
DMCの曲はメタルとしては結構聞きやすくノリやすかったので、アルバムを買って帰ろうかと思ったのだがレイトだったので売店は閉店。残念。
≪蛇足するコーナー≫
そういえば「クローズ ZERO」も男性率が高いと思ったら女性&カップルばかりだった事に驚いた。もしかしたら109シネマズ佐野では、私の当初の予想通りの客層かも知れないなと、ちょっと思った。
■状況
イオンシネマ太田店にてレイトショウで観賞
■対象
なんで女性客ばかりだったのか未だに理解できず・・・実は隠れメタラーって多いん?
■見所
松山ケンイチと松雪泰子と大倉孝二の吼える演技。
by unknown0083 | 2008-09-05 20:40 | 映画