【DVD】沙羅双樹
2008年 11月 22日
▼状況弟のライブラリより拝借
▼動機
何故か弟がDVDを持っていた
▼感想
つまらなくはないが、入りきれない感じ。
▼満足度
★★★☆☆☆☆ あんまり
▼あらすじ
奈良の旧市街地で代々墨職人を受け継いできた麻生家は旧家に暮らす4人家族。ある熱い夏の日、麻生家の双子の兄弟、圭と俊は路地裏を駆け回り遊んでいた。ところがその最中、圭は突然姿を消してしまう。必死の捜索も虚しく圭が見つかることはなかった。5年後、17歳になった俊は美術部に在籍する高校生。幼なじみの夕とは互いに淡い気持ちを共有していた。
▼コメント
河瀬直美という人が良く分からない。
一体何から逃げ、何に怯え、何を許されたがっているのだろう?
この映画を観て、思ったことはそんな事だった。
この人の映画はどの作品も、登場人物や台詞の端々に自己を投影もしくは自分に言い聞かせるているような感じが見受けられるのだが、この映画は自身も出演しているせいもあり、それが顕著に出ている気がする。
「かけがえのないものを失ったことで止まってしまった時間」
それを再び動かすために必要なものが「諦めるための結末」や「もっと大事に出来るものを見つける」というのではあまりにも芸がなさ過ぎるし、またその時間や諦めやかけがえのなさを感じられるような演出はなされていないのが残念。
また、色々と説明不足で飛んでいくため置いてけぼりをくってしまうのもいただけない感じ。
結局、圭はなんだった?
夕の秘密に何の意味が?
夫と妻の間のよそよそしさは?
シナリオや演出ひとつで解消できるモヤモヤが、まったく解決されずに放置されているのはなんの為なんだろう。この監督にとって、物語の整合性とかってどうでもいいものなのかな?ならばいっそ物語性は捨ててしまえばいいのに。
だからなんとなくこの映画は、監督が今抱えている問題を一度まとめてフィルムに収める事でなんとなくすっきりしたかった、というような意図で作られた映画のような気がしてしまった。多分「忘れなきゃいけないこと」と「忘れてはいけないこと」がゴチャゴチャになってしまったんだろう。
どこか他人に救いを求めているようで、それでいて他人を拒絶している風でもあるからややこしい。
≪追記するコーナー≫
青春パートについてのアレコレ。
序盤、お互いに等距離を保ってるような俊と夕の距離感が結構良かった。
これが中盤以降(正確に言うと神社のシーン以降)に崩れるのだが、そこから物語にあまり魅力を感じなくなってしまった。
バサラ祭りで何かを吹っ切るように踊る夕の姿が、眩しくもあり恐ろしかった。
二人で走るシーンはなんとなくとってつけたような感じがして違和感。自転車のシーンだけでよかったような気がする。
全体的に俊と夕に未来を与えるような物語だったが、そんなお膳立てとは反対にこの二人に未来がない様な気がしてしまったのはなぜだろうと考えた。
※この結論は特典DVDを見ることで解消。さらに蛇足のコーナーへ記載
≪一言コーナー≫
妻役は清水美砂あたりが適任だったような・・・
福永幸平にはあまり魅力を感じなかった。
兵頭祐香については「なんでこの子、今まで出てこないんだろう?」と思ったが、特典DVDを見て「なるほど・・・」と思った。彼女を魅力的に撮り続けたカメラマンさんと照明さんの腕と手腕に、ひたすら拍手を送りたくなった。
≪蛇足するコーナー≫
特典DVDにメイキングが入っていたので見てみることにした。
直感的に感じたことは間違っていなかったと確信した。
監督インタビュー内で河瀬直美はこう語る。
「こうじゃないといけないって言うことはないんですよね。」
「殯の森」のキーワードとなっている言葉をこんなところで聞くとは思わなかったが、なんとなくこの監督のやり方がわかったので、これ以上の遡り鑑賞は行わないことに決めた。
≪さらに蛇足するコーナー≫
また、メイキング内に主演二人のインタビューや撮影中の会話など、色々入っているのだが、それを見て本編で感じた違和感が解消されたので記載。
劇中、心を通わせた俊と夕だったが、福永幸平と兵頭祐香に置き換えると、実はまったく通っていなかったらしい。神社のシーンを皮切りに想いが一方的に強くなってしまった福永幸平と、バサラ祭りのシーンで自分を取り戻してしまった兵頭祐香。
その後は、届かぬ想いにモヤモヤする福永幸平と、それを知ってか知らずかはぐらかす兵頭祐香という構図になってしまい、それが福永幸平の苛立ちとしてスクリーンに出てしまったような気がする。
それが、なんとなく二人に未来を感じなかった理由だった。
主演二人がアマチュア故におきたミスなんだろうか?
それともそんな心情も切り取る河瀬演出が凄いのだろうか?
▼対象
川瀬直美を敬愛する人へ(というか河瀬教の信者様向け)
▼見所
カメラさんと照明さんの腕
by unknown0083 | 2008-11-22 22:17 | 映画


