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【映画】純喫茶磯辺  

【映画】純喫茶磯辺_d0057574_20562237.jpg▼動機
これは面白そうな予感
▼感想
とても面白かった
▼満足度
★★★★★★☆ いいかも

▼あらすじ
8年前に妻が家を出て以来、高校生の一人娘・咲子(仲里依紗)と暮らす水道工員の磯辺裕次郎(宮迫博之)。父親が急死して多額の遺産を手にした彼は突如喫茶店経営を思いつき、無計画にも“純喫茶磯辺”を開店させる。閑古鳥の鳴くダサい店は、美人の素子(麻生久美子)をアルバイトに雇ってから一転、クセモノばかりの常連客でにぎわい始める。




▼コメント
よく見る映画ブログでこの映画を発見してから、どうにもこうにも見たい衝動が止まらなかった映画。こういう衝動は大体当たっていることが多く、だからきっとこの映画も面白い映画に違いないと決め込んでいた。

既に上映開始から数ヶ月経過し、DVDの発売日も決定。
「近所のレンタル店には置かれないだろうからTSUTAYAオンラインで・・・」
なんて考えていたところ、なんのキャンペーンなのか、それともたまたまなのか、お近くのイオンシネマで上映されることが「ひっそりと」決まり、それを偶然発見することができたので、映画館で鑑賞する事に。

【映画】純喫茶磯辺_d0057574_20591385.jpg
映画は実に面白かった。
仲里依紗と宮迫博之のローテンションでの掛け合いが非常に面白く、なんというか父娘の素の会話を覗き見ているような、そんな面白さがあった。
物語は「ひょんなことから喫茶店を始めることになった父娘のひと夏の物語」といった感じの物語で、特に何が起きるでもなく淡々と進行するスタイルの中に、そこで関わる人物とのコミュニケーション(と言っていいのかどうか甚だ疑問だが)を描いた物語だった。
※あらすじだけ読むと「かもめ食堂」の二番煎じ的な物語に見えるが実は随分と違う

クセのあるキャラクターが多いが、うそつきが出てこないのが良いところだと思った。
いい加減に見える父もちゃんと本質を見抜いていることろがあったり、
終盤に出てくる女を殴る男も最終的にうそはついてなかったり、
なんだかみんな正直者なので、イライラせずに見られるのがいい。

中盤から別れた母親のウエイトを大きくなり、そのままホームドラマ路線に行ってしまうのかなっと心配したが、そこは母親、キッチリとそれでいて優しく娘を突き放した所に、好感を持った。
そのシーン以降、母親はきっちり退場したので、
「主人公は娘で、この娘が少しだけ大人になっていく瞬間に、我々は立ち会ったんだな」
っと思うことができた。

【映画】純喫茶磯辺_d0057574_21285731.jpg基本的にダメ人間な父親を、宮迫博之が実にいいバランスで演じてた。「うわっ!最悪っ!」となるちょっと手前にある、「おいおい、アンタ・・・」で済まされるギリギリの所をちゃんと見極めていて、そこで踏みとどまってくれたのが良かった。
それと、なんとなく娘を見る目と、話しかけ方が、家族っぽかったような気がした。実生活では意外と、こういう感じの父親なのかもしれないと言う気配もした。

別れた妻が娘に語る、
「なんだかんだであの人の方が、アンタのことをちゃんと考えてるって思った」
という台詞を、「うん、確かにそうだね」っという風に聞けたのがとても良かった。
このあたりは、宮迫博之の力かもしれない。

【映画】純喫茶磯辺_d0057574_2155017.jpg
日本インターネット映画大賞の投票前にこの映画を見ていたら、絶対に新人女優賞の欄に記載したであろう仲里依紗。
普通(ではないのかも知れないが今まで見た中では普通の部類)の役をやらせるとこんなにスキルの高い女優だったのかと驚くばかり。
父親の事を軽蔑しつつも完全には嫌っていないという、そういう微妙なニュアンスが伝わったのは、おそらく仲里依紗の演技力の賜物。
くるくる変わる表情や、呆れ顔で父親を見る視線や、なにより仏頂面がチャーミングだった。
※特に”可愛らしい部類”じゃない所が素敵。

また、麻生久美子が大分ぶっ飛んだ役で登場。
彼女が色々とかき回す役なのかと思ったら、彼女は何もせずに、周りが勝手に回って行くという、そういう感じがまた可笑しかった。
何かあるだろうと思っていた予想の遥か上を行った彼女の行動に呆然。
まさかそうくるとは思わなかった。
※というかよく言わせたね、あの台詞

その他、芸達者な役者さんが映画を盛り上げていた。
ミッキー・カーチスにお店が乗っ取られそうだったが、そういう物語じゃなかった。
※個人的には斉藤洋介がお気に入り。ああいう人、現実にいるいる♪

【映画】純喫茶磯辺_d0057574_217867.jpg
ところどころ入るコメディチックなシーンではちゃんと笑えるし、
じんわりさせるところではちゃんとじんわりさせるし、
速すぎずのろすぎずいい感じの展開スピードをキープしていたし、
劇中に何度か仲里依紗による”ちょっぴりサービスなシーン”もあるし、
ほのぼの系としては実に良くできた映画だと思った。


▼状況
イオンシネマ太田店にて無料鑑賞券で鑑賞
▼観客
30名弱(30代中盤と思わしき方々が多かったような?)

▼対象
なんとなく、ある程度心にゆとりのあるオトナな人向けの映画のような気がする
▼見所
素子はあのどらやきを最後まで食べたのだろうか・・・
ところどころに父の青春時代な仕掛けあり(工藤静香のポスターとか)

by unknown0083 | 2009-01-20 21:10 | 映画

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