【映画】ノン子36歳(家事手伝い)
2009年 03月 28日
パスした理由を忘れたから。
▼感想
ダメ人間の周りにはダメ人間が集まる?
▼満足度
★★★★☆☆☆ そこそこ
▼あらすじ
芸能人として活動してみたが売れず、現在は実家の神社で家事手伝いをしているノブ子(坂井真紀)こと通称ノン子は、女友だちが経営するスナックで酒を飲むのが楽しみという日々を送っていた。ある日、神社の祭りでヒヨコを売ろうとする若者マサル(星野源)が現われ、彼の考えなしの行動に彼女の心が動き始める。
▼コメント
「レアものだから」という理由で興味をもち、何らかの情報で「なんだそーゆー映画か・・・」と興味を失い、で時間が経過した事で、なんでパスしようと思ったかすら忘れて、今回の鑑賞。
全体的に言えば、「坂井真紀」を撮った映画、という感じ。
メインの登場人物については結構練りこんである印象を受けたが、物語は大分いただけない作りになっていた。
登場人物に感情移入することはほぼ不可能なほど、ダメ人間ばかりでてくる映画。
ノン子だけでも随分とヒドイのに、どこをどう見てもダメ人間以外の何物でもない「黄色い若者」が拍車をかけ、さらには鶴見辰吾まで出てくるもんだから、もうしっちゃかめっちゃか。
まあ、ただ、どこからどう見てもダメ人間なのに、本人達(坂井真紀と鶴見辰吾)はその場その場で必死だなっていうのがわかるんで、そこは多分俳優の力かもしれない。
というか、その場その場のことしか考えてないからきっとダメ人間なんだろうけど。
あの若者の年齢がよくわからなかったのだが、高校中退直後くらいののドリーマーだと思った。
アレを二十歳過ぎの成人と認めるにはあまりにも幼すぎる。
彼が何かやるたびに腹が立ったのは事実で、斉木しげるや津田寛治がぶっ飛ばしたときにちょっとだけすっきりしたが、ホンネでは
「この男をこのまま生かしておくとろくなことがおきないぞ」
と思っていたので、案の定おきたラストの大立ち回りには(理由はどうあれ)唖然として、
「警官呼んで射殺しちゃったほうが良くないか?」
とスクリーンの中の大人たちに提案してみたりした。
他人に流され続けてきた主人公が、最後に自分の意思で道を決める。最後に見せた笑顔が、他人を羨むことなく自分の道を行こうと決めたように見えて清清しくはあった。
※というかどの選択肢をとってもそれはそれで成り立つ映画のような気はした。
映画自体はそれほど面白いものではなかったけど、坂井真紀と鶴見辰吾の絡みが結構面白かったのと、その後、若者君に対して言った台詞(というか多分自分に言ったんだろうけど)があまりにリアルで笑ったので、まあよし、かな。
※若者ごときに主導権は渡さない36歳の意地も見事だった。
≪追記するコーナー≫
個人的には、カメラアングルや小道具というのもがいかに重要であるかというのを知った映画。
あと、私より年下のはずの佐藤仁美がびっくりするほど老けて見えて驚いた。
それと新田恵利の起用は何らかの意図があるに違いないと思って調べてみたら、どうやら「リアルノン子」だったようで、なかなか味な起用をすると、ちょっとだけ感心した。
※地元で「冬のオペラグラス」だよねw、とか言われてたのかなっと思うと、昼間のバーでのシーンがやけにリアルだったのもうなずける・・・
≪蛇足するコーナー≫
この映画を見ていたら、ここしばらくあっていない友人を思い出した。
「そういえばその人もノン子っぽいな」と思ったら、この映画のリアルさがちょっとだけ伝わったような気がしたので、満足度をひとつアップした。
▼状況
深谷シネマにて鑑賞
▼観客
隣接自治体での撮影だったようで地元の人でにぎわっていた
▼対象
あまりない「女版ダメ人間映画」なので、そういうのに興味のある人にはお勧め
▼見所
脱いでもスゴイはずの坂井真紀が、脱いでもあんまりスゴくなくなっちゃっていたところと、それでもいつでも脱げるように準備していたんだなと思われるところ、かな。
by unknown0083 | 2009-03-28 16:30 | 映画