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【映画】フィッシュストーリー  

【映画】フィッシュストーリー_d0057574_22535876.jpg▼動機
多部未華子&濱田岳&中村義洋 in 伊坂ワールド
▼感想
なるほど「おとぎ話」とはよく言ったもの
▼満足度
★★★★★★☆ いいかも

▼あらすじ
1975年、ピストルズがデビューする1年前。鳴かず飛ばずのバンド「逆鱗」のメンバー4人(伊藤敦史、高良健吾、渋川清彦、大川内利充)は、解散前最後のレコーディングに挑んでいた。そして時は超え、地球の滅亡まで数時間に迫った2012年、営業を続ける一軒のレコード店から「逆鱗」のあの一曲、「フィッシュストーリー」が流れ始める。




▼コメント
とても面白かった。
評価されている割には読んだ殆どの作品を面白いと思えない伊坂幸太郎作品でも、
中村義洋が映像化してくれると、とても面白い映画になる。

この映画も、シナリオを追いかけていく映画の割には、
「感動」も
「興奮」も
「衝撃の結末」も
「激しい恋愛」も
「悲しい出来事」も
「人生の教訓」も
な~んにもないのに、
なんとも言いようのないとても面白い映画になっていた。
そこにはきっと、脚本の力、俳優の力、演出の力以外にも、不思議な力が加わっているような気がしてならない。

監督と脚本が「ルート225」のコンビ(中村義洋&林民夫)なので、恐らく今回も原作に沿った形での映像化だと思う。
なのでこの映画の中の「繋がっているようで、微妙に繋がっていない感じ」は、
恐らく原作からあるものだと推定し、
加えてこういう「ちょっとズレていてキレイじゃない部分」こそが「伊坂幸太郎ワールド」ということも踏まえて、そういう「いじりたくなるような部分」を、そっくりそのまま残したところが、とてもすばらしい仕事だと思った。
※キレイに仕上げてしまった「死神の精度」の時のような違和感はなかった

映画は「フィッシュストーリー」を中心に仕上げた群像劇風になっていたので、群像劇が好きな私にはとても楽しめた。
違うのは「場所」じゃなくて「時間」、という部分を使ったトリックもなかなか面白く、全てが予想通りになっていく様はとても愉快で爽快感があった。

全ての事象に上手に伏線を張っていたが、「空白の1分間」だけはミスリードがあったため
「キーボードを重ねられたので消した」のか
「余計な事をやってしまって消した」のか、
「本番」を見るまでわからなかったのだが、なるほど、ちょっと感動的なシーンだった。

6つの時代をつなぐのは「フィッシュストーリー」とそれに関わった人々。
「フィッシュストーリー」が「世界を救う」というのは確かに大げさな話だが、これを噺家が口頭で喋ったならば、そういう風に聞こえるんじゃないかと思ったのでよしとしよう。
荒唐無稽な映画だったが、そう思えるくらいの「爽快感」はあった。
ハーフ、逆鱗、世界を救う男、ノストラダムス、正義の味方、彗星
以上、内容については触れていないのに、見た人にしかわからないネタバレがサックリ入っている感想。

≪追記するコーナー≫
【映画】フィッシュストーリー_d0057574_11144121.jpg最後の解答編はあってもなくても良かったと思うが、
「微妙に繋がってない」感じを出すのにはとても効果的だったと思う。
また、「正義の味方」の正体に関する部分に「見せないトリック」を使ったのが個人的にハマりだった。
※「アヒルと鴨のコインロッカー」では「見せるトリック」が印象的だったので余計に。

≪蛇足するコーナー≫
その後、逆鱗のメンバーがどうなったかは誰も知らないが、全員そのままのメンバーでアマチュアに戻ったような気がする。活動は伊藤淳史が事故で亡くなるまで続けられたんじゃないかと思うとなんだか感慨深い。
なお、曲がしばらく頭の中でリフレインしていたので、帰宅後「逆鱗」のCDを注文した。映画のサントラを買うのは初めてだった。

≪一言コーナー≫
この映画の伊藤淳史は今までに見たこともないくらい貫禄があった。
ベースもちゃんと弾けているように見えたのが驚きだった。
キャバレーでの動きが最高に面白かった江口のりこ。
誰も不幸にならない映画の中で唯一不幸になってしまったんじゃないかと心配した。
【映画】フィッシュストーリー_d0057574_1114714.jpg
「泣きっ面」と「しかめっ面」と「寝顔」でほぼ全て乗り切った多部未華子。
パニクって陸地に戻ろうとする動きがあまりにも迫真で大笑いした。
その他、似合いすぎの濱田岳、電波少女が板についていた高橋真唯、過去も未来もハマリすぎの大森南朋、タップだけじゃなく本当に動ける事を証明した森山来來、いつ見てもダメ人間の山中崇、などが印象的だった。
そして、石丸謙二郎がいつ「仮面ライダー」という台詞を吐くかハラハラした。

▼状況
MOVIX伊勢崎にてサービスデー価格で鑑賞
▼観客
30~40名、明かりがつくまで誰一人席を立たなかったことが素晴らしい

▼対象
群像劇とか好きな人
▼見所
中村義洋と林民夫のつながり
中村義洋と多部未華子のつながり ※以上「ルート225」
中村義洋と山下敦弘のつながり ※以上「松ヶ根乱射事件」
中村義洋と伊坂幸太郎のつながり
中村義洋と濱田岳のつながり ※以上「アヒルと鴨のコインロッカー」
中村義洋と山中崇&上田耕一のつながり
中村義洋と伊藤淳史のさり気ないつながり ※以上「チーム・バチスタの栄光」
など、
「偶然の繋がりが世界を変えていく」というお話に相応しく、
かつて偶然に繋がった人たちを各時代にさり気なく配置するかのように
キャスティングしてくるところからしてなかなかニクイ演出。
そして、その裏で
多部未華子と濱田岳のつながり ※「すみれの花咲く頃」
多部未華子と伊藤淳史のつながり ※「西遊記」
伊坂幸太郎と大森南朋のつながり ※「チルドレン」
や、
山下敦弘と山中崇のつながり ※「リアリズムの宿」
伊坂幸太郎と斉藤和義のつながり
多部未華子と毛利衛とのつながり
あたりも、なんだかちょっと面白い。
こう考えるとつながりでどこまでリレーできるのか気になってくる。
※森山未来はどうにも繋がりそうにないが・・・

▼関連
ルート225
アヒルと鴨のコインロッカー
チーム・バチスタの栄光
西遊記
松ヶ根乱射事件

by unknown0083 | 2009-05-14 19:20 | 映画

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